雄別炭鉱病院2019

2021年2月22日月曜日

雄別炭鉱

t f B! P L
2021年現在でも未だに心霊スポットとして語り継がれる『雄別炭鉱病院』。ネットで検索すると相変わらず『最恐スポット』などと紹介されており、たま~に動画もアップされていることからまだまだ需要があるということでしょうか。私もオカルト好きですが、この病院については残念ながら的外れでしょう。心霊目的の方には残念ですが、毎年の様に現地へ行っても何も感じず・起こらず・聞こえず・写らず、というのが現実です。というのも、この建物は新築であり心霊スポットになるほど使用はされてはおらず、過去に雄別炭鉱で大きな事故も起きていないので全く根拠がありません。そして何よりも雄別出身の方は心霊スポットとして扱われることを快く思っておりませんので、ここで強く否定しておきます。ただ、病院内で熊の目撃情報が多数あるという点では『北海道最恐スポット』なのかも知れませんw

1968年初頭、木造だった旧雄別炭鉱病院(診療所?)が火災で消失。その後鉄筋コンクリート構造で再建されたものが、完成から50年以上経った今でも現存。雄別炭鉱は1970年2月に閉山、4月には雄別本線が廃線となったことから、この病院が使われた期間は恐らく1~2年、ほぼ新築のまま役目を終えたと思われます。

なお、ネットでよく見かける『雄別炭鉱ではガス爆発、落盤、崩落など多数の事故が起き、多くの死傷者が出ています』というものですが、ガス爆発については雄別炭鉱傘下の茂尻炭鉱(赤平)で多くの死者を出しているものの、この病院とはあまり関係ない(赤平にも病院はあるし、わざわざ阿寒まで病人を搬送するだろうか)のではないかなと。また、全く事故が無かった訳ではありませんが、ほとんどがこの病院が完成する前の事故なので、実に『誤解を招く』書きっぷりだと言えますね。


ここに初めて訪れたのはかなり昔、心霊と廃墟への興味でデジカメ片手に一人潜入して以来、何度も足を運び、千羽鶴や落書きがあった時代から徐々に姿を変えていく様を見てきましたが、ここへ来て大きな変化がありました!


正面玄関にセンサーアラームが!機械取り付け周辺部にはそれなりの補修があります。音が鳴り光も発しました。


そして防犯カメラまで!こちらもワリとしっかり取り付けられています。


更にセンサーライトも付いていましたが、こちらの天井開口部の処理は雑で、絶賛作業途中でしょうか?作動はしなかったものの、夜に行ったらビビるだろうこと請け合いです。2018年6月訪問時には無かったので、2019年9月の訪問までの間に取り付けられた模様です。一体誰が・何の目的で?そう、思い起こせばこの建物、十数年ほど前はこんな感じでした。


第二次オカルトブームの頃は落書きだらけ、至るところに千羽鶴、線香代わりのタバコ、ゴミも散乱。事の発端は週刊誌で『心霊スポット』として特集されたことらしいのですが…その週刊誌と霊能者は実に罪深いです。


そして2007年には経済産業省が近代化遺産として雄別炭鉱を認定、それをきっかけに保存に向けた動きに伴って病院内の清掃や落書きを隠す塗装、補修のための塗装も見られるようになりました。それが何故今頃になって突然センサー類を取り付けるに至ったのか、雄別を研究されている方やその道の詳しい方に問い合わせてみたものの、答えは出ず。

頭をよぎったのはこれら清掃・整備に携わってきた方々、夏には病院周辺の下草を刈ったり、案内看板を設置した時期もありましたが、これら雄別遺構を大事にしてきた方々の存在です。今まで苦労して綺麗な姿にしてきた方々が、もしや侵入を拒んでいるのでしょうか?センサー類の電源はソーラーだろうし、電波は届かないので衛星インターネットでも用意しない限りはセキュリティとしての役割を果たせないとは思いますが、、、もしかしたらオーナーの意思?かどうかはわかりませんが、とにかく近づかないことにします。


という訳で、、、ありがとうさようなら。念の為、雄別購買にも立ち寄ってみます。


果たしてセンサー類は取り付けられている?


特に何もありませんでした。


いつも通りの雄別購買です。


木製の階段もかろうじて無事でした。


階段を上った先の小部屋は崩壊が進み、落ちるのも時間の問題でしょうか。


写真右奥、天井から垂れ壁のように残っていたものが、今ではすっかり落ちてしまいました。


外に回ってみると、階段の手摺は何年か前に塗装されていたものが少しずつ剥げてきているのが確認出来ます。


屋上の確認で階段を上ります。


屋上は花や木で覆われていました。屋上には閉山2年前に開店したバー兼喫茶「ローズ」があったようです。


再び雄別購買へ。病院へのセンサー取り付けの衝撃から色々と考えてしまいました。誰かが愉快犯的に、お手軽に取り付けたものじゃない、お金だって時間だってかかっているに違いない…謎ですね。


そしてそれから約2年後の2021年、病院を再訪してみました。


新たに取り付けられたであろうカメラのようなものは赤点滅していました。


これも新設?LEDライトです。


これもライトですかね?と、着々と武装化が進んでいるようでしたが、費用と時間をかけて設備投資…するに値する何か?が行われつつあるのでしょうか???


注意事項

遺構については個人が趣味の範囲で調べたものですので、必ずしも正確なものではありません。また、当ブログでは熊などが生息している危険な場所を扱うことがありますが、探索を推奨するものではありません。なお、当ブログを見て何らかのトラブルに巻き込まれても当方は一切責任を負いません。

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