当ブログお馴染みwの、北海道釧路市阿寒町の雄別炭鉱跡シリーズ、今回はこれまでの職員クラブ・購買所・病院周辺から探索範囲を拡げ、健保会館・協和会館・神社と探して歩き回ります。
なお、病院については手書きの図面を見つけたので確認しながら回ってます。
雄別御殿(職員倶楽部)
木造の建物『職員クラブ』、今年は雪が降る中での訪問となりました。
積雪量はさほどでもありませんが、道東という地域では一旦雪が降ったら春まで連日氷点下の気温が続くことになるため雪がいつまでもしつこく残り、重みで建物を傷めるのです。
職員のための福利厚生施設だった職員クラブは、造りが豪華だったため雄別御殿とも言われた建物です。
この木造の建物は年々崩壊が進んでおり、中に入るのはかなり危険な状態となっています。
それでもこの木造の建物が倒れないのは、やはり『御殿』としての意地でしょうか?
左側面
こちらは正面玄関から見て左側の面です。倒れないのが不思議なくらい、壁だけハリボテ状態になっています。
裏側面
右側面
購買所の探索
続いては雄別商事の購買所です。昭和36年に設立された建物は、駅前スーパーマーケットのような施設でした。
この建物は数年前まで落書きだらけ、床は瓦礫だらけでしたが、今や落書きは消し去られ、床上もすっきりと片付けられています。
北側の面は外壁が無くなっているため吹きさらしです。
前回訪問時とあまり変わった様子はありませんが、少しずつ崩壊が進んでいる印象。
ちなみに床上にあるこの黒いものは鹿のフン、じゃなくて落ち葉でしたw
雪はまだ降り続いていますが外へ出ます。
建物北側の面を確認。外壁が無くなっており鉄骨が剥き出しです。
健保会館
高さがそれほど無いので半地下のようになっていたのでしょうか?
何故地下部分のみ残されたのかも不明です。
地面に埋もれていたせいで、解体するのが困難だったとか?
瓦礫しか無いようですが、地下に降りてみました。
地下のシャワールームです。やけに天井が低いのですが、瓦礫のせいでしょう。
協和会館
健保会館から見える協和会館ですが、建物は火災で焼失しているため台形型の映写室のみが残っています。
初めて目にしたときはトーチカかと思いましたw
協和会館は、映画上映のほか学校の催し物などにも利用されていた建物のようです。
隣には協和会館別館という、鉱員のための福利厚生施設がありました。職員と鉱員とは明確に区別されていたようです。
建物は1997(平成9)年頃、タバコの火が原因と思われる火災にあったそうです。
誰も居ないはずの廃村でタバコの不始末という事は、肝試しのDQN連中でしょうか。
機械室(映写室)とトイレの便槽だけが残されたようです。
機械室内部を確認
炭鉱神社へ
社務所跡でしょうか?塚石が並んでいます。石積みの擁壁は相当古そうですね。
何かの基礎
神社の山から見下ろすと見えるのは、まりも保育所の基礎でしょうか?
夏場なら緑で何も見えないでしょうね。
雄別砿業所事務所
雄別砿業所事務所の周辺です。
この辺りには廃便器があったような気がするので、あまりウロウロしないようにしますw
手前は地下物品庫の入り口、奥に見えるのは金庫の建物です。
雄別炭鉱病院へ
雄別炭鉱病院の付近まで来ました。この辺りは旭町になるようです。
木々の隙間から安全生産の看板がついた雄別通洞の坑口が見えます。この看板は後になってから取り付けられたもので、当時は坑口の上にありました。
雪の中ここまで来たのは今回が初めてでしたが、タイヤ跡は病院を越え更に奥地へと続いていました。
今回はこれまでとは違って病院の図面が頭にインプットされていますので、ポイントを押さえ手短に病院内部を探索しました。
側面の出入口です。この病院は完成から2年足らずで閉山となった築2年の病院です。
それまでは木造の病院がありましたが、火災で焼失したためこの病院が建てられました。
病院1F
1Fは手術室・X線室・薬局・外科・内科・婦人科・院長室・実験室など診療メイン、2Fは主に病室が並び入院がメインとなっています。
手持ちの資料によると、ここは手術室になっています。いくつかの露出配管以外は無影灯などの医療器具も次亜塩素酸ソーダ臭もありません。
ちなみに霊安室について手持ちの資料に記載は見当たりませんが、記載を避けたのか存在しないのか不明です。無い病院もあるので。
準備室・麻酔室です。窓の向こうには食堂・炊事室・更衣室などのある管理棟が見えます。
準備室の壁はピンクで浴槽は水色。リラックス効果でパステルカラーが多く見られます。
ここは消毒室?床下点検口が至る所にポッカリと開いていますので、注意が必要です。
ここから正面玄関のほうに繋がります。
玄関ホール
正面玄関です。落書きはかなり目立たなくなっていますが、個人で消して回るのは大変だったかと思います。
昔は千羽鶴やタバコや線香にローソクなどいかにも心霊系のアイテムが見られ、床にはチリやゴミが散乱していましたが、今はすっかり片付けられています。
ここの廊下にも床下点検口が開いていますので、夜間の訪問は大変危険です。
事務所の奥は資材置き場か機械室かはわかりませんが、普段は水が溜まっているようでガチガチに氷っています。テーブルか椅子に木の破片に保温筒なども落ちています。
水という媒体に記憶された残留思念が様々な心霊現象を引き起こすと言われていますが、ここではそう言ったことが起きたことはありません。
管理棟へ
管理棟への連絡通路です。この先には病院の更衣室や炊事室があります。
手持ちの資料では炊事室となっています。手術室ではありません。
天井はすっかり落ちており、立派な鉄骨が剥き出しになっています。
大き目の換気口があるところを見るとやはり炊事室でしょう。隣は食堂になっています。
ここは大き目の更衣室です。天井が落ちて床に散らばっています。
連絡通路から見える病棟の様子です。
螺旋回廊
スロープからは病棟を見ることが出来ます。
バリアフリーの概念を取り入れ、車椅子でも階段を使わずに1F~3Fを行き来できるという、40年以上前に設計された便利なスロープです。
病院2F
図面では『面会所』となっている2Fのスペース。
同スペースは1Fが『事務所』になり、3Fは『回復訓練室』となっています。
『焼肉定食』の落書きが残ります。なぜ?とは思いますが、これは1980年代に流行した『弱肉強食のパロディ』でしょう。
ということは、この落書きは約30年前のものかな?
螺旋回廊の雪景色です。
玄関前には自分のではない足跡がありましたが、最近のものでは無さそうでした。
今回の探索では、炊事室の天井が完全に落ちてしまったことを確認しています。
当然ですが、少しずつ内部の崩壊が進んでいるようです。
(参考:雄別炭鉱2007 / 雄別炭鉱2011-春- / 雄別炭鉱2011-秋- / 雄別炭鉱2011-冬- / 雄別炭鉱2012 / 雄別炭鉱2013 / 雄別炭鉱病院、心霊スポットに思うこと / 雄別炭鉱2018 / 雄別炭鉱病院2019・2021 / 雄別炭鉱2021)