(羽幌炭鉱跡其の参より)
選炭工場の建物までやって来ました。地中から揚げられた石炭に混じる不純物(ズリ)を取り除き、塊炭や粉炭など品質別に選別する工場だそうです。
選炭工場は窓がたくさんあるので、明るく居心地が良い場所となっていました。
この選炭工場と付随して複数階層に渡り坑口事務所の部屋が数多く並んでおり、結論から言うと非常に見応えのある建物でした。個人的には今までで一番好みの建物です!!
日中の気温により氷柱が解けてきています。見た目より暖かい日でしたが、それにしてもあのタワー内部は寒かったw
振り返ると窓が並び、その向こうには部屋が見えるのですが、どうやって行くのかはわかりません。
ここから見える羽幌タワーです。
昭和40年度の起業予算書案、というものまで。経営資料を保管する部屋だったのでしょうか。何気に落ちているファンタ・フルーツパンチは、1984(昭和59)年に発売されたハズですので、閉山後のポイ捨てでしょうかね。
壁際の棚は空っぽですが、この部屋は資料の保管庫だった雰囲気。
更に進んだところにある便所です。
トイレの頭上には『便器の蓋』でしょうか。汲み取り式の場合、臭いが上がってくるのを防ぐ目的で蓋をしておくのです。
ここは…神棚がある部屋。神棚には御札も残っています。それと大きな黒板も。
『貴女と私を逢わせてくれた 南通りに 灯がともる さよならなんか したくない 焼尻天売も 霧の中 港羽幌の ゝ 恋の夜』
これは1968年の森進一『ひとり酒場で』のB面、『神戸の夜』の替え詩のようです。関係者の方が羽幌を偲んで書いたものでしょうか。
今では機械も壁も無いので、この窓から選炭工場全体を見渡すことが出来ます。
書類を保管していたであろう棚と、その奥にまた部屋があるようです。ただ、奥の部屋への扉が見当たりません。