羽幌炭鉱跡(羽幌町)其の四

2015年12月6日日曜日

炭鉱(羽幌)

t f B! P L

選炭工場の建物までやって来ました。地中から揚げられた石炭に混じる不純物(ズリ)を取り除き、塊炭や粉炭など品質別に選別する工場だそうです。


この選炭工場と付随して複数階層に渡り坑口事務所の部屋が数多く並んでおり、結論から言うと非常に見応えのある建物でした。個人的には今までで一番好みの建物です!!


日中の気温により氷柱が解けてきています。見た目より暖かい日でしたが、それにしてもあのタワー内部は寒かったw


選炭工場は窓がたくさんあるので、明るく居心地が良い場所となっていました。


一部凍っていた狭い通路の先にあった部屋です。滑って落ちたら怪我では済みそうもないので慎重に移動します。錆びた一斗缶が置いてありました。


振り返ると窓が並び、その向こうには部屋が見えるのですが、どうやって行くのかはわかりません。


ここから見える羽幌タワーです。


正面には先ほどの部屋に繋がる階段室が見えますが、足元に穴が開いており迂闊に降りられませんので別の経路を探します。


階段が兎に角たくさんあるため、階段愛好家としては楽しくて仕方ありませんw


引き続き工場内。小部屋がいくつか見えます。


天井には何かが貫通していたような穴が開いてます。


目についた小部屋からウロウロ回ってみます。


何か機械が据え付けてあったような台座が残る部屋です。


これは…何の部屋でしょうか。大きめの石机と木の机が。修理場?


火気取扱責任者の木標が残っています。


ここは?瓶が並んでいます。


クスリの瓶でしょうか?


この部屋は…特に何もありませんが、上階への階段があります。


ワクワクしながら階段を上りますw ここを上がれば坑口事務所の方に行けそうです。


階段を登った先は…羽幌炭鉱の事務資料が散乱する部屋に出ました。


昭和37年の持出証明証、選炭課という部署があったようです。


昭和40年度の起業予算書案、というものまで。経営資料を保管する部屋だったのでしょうか。何気に落ちているファンタ・フルーツパンチは、1984(昭和59)年に発売されたハズですので、閉山後のポイ捨てでしょうかね。


壁際の棚は空っぽですが、この部屋は資料の保管庫だった雰囲気。


更に進んだところにある便所です。


小便器は見落としてしまいましたが、大のほうは便器が残ってました。


トイレの頭上には『便器の蓋』でしょうか。汲み取り式の場合、臭いが上がってくるのを防ぐ目的で蓋をしておくのです。


ここは…神棚がある部屋。神棚には御札も残っています。それと大きな黒板も。


『貴女と私を逢わせてくれた 南通りに 灯がともる さよならなんか したくない 焼尻天売も 霧の中 港羽幌の ゝ 恋の夜』
これは1968年の森進一『ひとり酒場で』のB面、『神戸の夜』の替え詩のようです。関係者の方が羽幌を偲んで書いたものでしょうか。


手前の長テーブルの上には注連縄と、急須、割れたお神酒徳利のようなものが。


壁際には木製の机とロッカーかな?


部屋を出て階段を上ります。


階段の途中から見える選炭工場。どうやらここが先ほど見えていた階段室のようです。


事務室のプレートがついた入り口。


階段の踊り場から事務室の間は、数メートルの廊下で繋がっています。


その先の部屋には、事務机がいくつか置いたままになっています。


天板が無くなった机と、竹ぼうきが立てかけられています。


事務室の窓から選炭工場が見えるような造りだったようですね。


今では機械も壁も無いので、この窓から選炭工場全体を見渡すことが出来ます。


書類を保管していたであろう棚と、その奥にまた部屋があるようです。ただ、奥の部屋への扉が見当たりません。


窓を乗り越えて内部へ。一口コンロのようなものが落ちています。


味の素でも入っていたかのような小瓶も置いてありました。よくわかりませんが、食堂か休憩室でしょうか?


最後の階段を上ると、屋上でした。


まあまあ広めのスペースがあります。


屋上からの風景。当初はここを歩いて事務所の階段室へ行こうとしてましたが、雪に覆われていて歩くのは危険と判断しました。


屋上からもタワーが良く見えます。


屋上を出ます。


同じルートで選炭工場まで戻りました。


選炭工場から出る際、シックナーを見つけました。


まだまだ見どころがありそうですが、日没が近いので戻って来ました。


今回、羽幌の滞在時間は6時間。自宅からは雪道なので往復16時間以上かかりますので移動時間の方が遥かに長いのですが、遠くまで来た甲斐は大いにありました!




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