標津線の廃線跡

2014年4月18日金曜日

廃線・未成線

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1989(平成元)年に廃止された旧国鉄標津線は、釧網本線標茶駅から旧標津線中標津駅を経由し根室標津駅までを結んでいた路線です。その標津線の支線として、旧中標津駅から根室本線厚床駅までを結ぶ路線がありました。そんな標津線の廃線跡で、自然に還ろうとする駅跡を探し訪ねました。

標津線 光進駅

場所は北海道野付郡別海町泉川。道道830号泉川西春別線から名前のわからない町道に入るとすぐに見つかりました。


雪に埋もれる光進駅のホームです。


当然除雪などされていないので、膝まで埋まりながらホームの階段を目指します。


雪よりもむしろ枯れ木が邪魔で進みにくかったのですが、なんとかホームに上陸。針金のようなものが巻かれています。


枯れ枝がホームに侵入しているため、歩き辛いです。


ホームの端っこにあったこの『0標識』ですが、調べてもよくわかりません。起点?


足元はまだまだしっかりしてそうですね。


長さ10メートルくらいかな、短いホームです。


標茶方面には真っ直ぐ廃線跡が続いています。この鉄道防風林の直線は、2kmほど続いているようです。


このタイプのホームは『鉄骨製コンクリート床簡易型ホーム仮乗降場スタイル』と言うそうです。『30』の意味はわかりません。ホームの床より雪のほうが何倍も厚いですね。

標津線 西春別駅

場所は北海道野付郡別海町西春別駅前西町。この駅跡は整備され、別海町鉄道記念公園となっています。面白い形の屋根が鉄道記念館で、標津線にまつわる資料が展示されているようですが既に閉館でした。


保存車両と信号機があります。


国鉄D51形蒸気機関車だそうです。


ここには奥行臼以外の町内駅名標が全て保存されているとのこと。泉川と光進。


西春別だけ離れた場所にあります。


上春別、ここから支線の春別、平糸、別海と並びます。


公園の片隅には滑車が並んでいますが、何でしょうか。信号機関連?

標津線 上春別駅

場所は北海道野付郡別海町本別。道道13号中標津標茶線と道道957号大成西春別線の中間に位置します。この辺りは人の気配が全くありません。


今回はスノーシュー装着で挑みます。


階段の手すりやホーム周辺の鉄柵は取り払われたのか見当たりませんね。枯れ木で見えづらいですがホームの端が折れてます。


裏から見るとこんな感じ。階段があったのでしょうか?


列車の往来が無くなったホーム、代わりに鹿が往来しているようです。いやキツネかも。


光進駅と同じような造りですね。色違いですが。


ホームの下にも足跡。キツネでしょう。


放置されたホームだと思っていましたが、木を切り倒した跡がありました。

標津線支線 平糸駅

場所は北海道野付郡別海町別海。中標津方面側から見た平糸駅のホーム。


階段も手摺も残っています。


ホームには草がビッシリ生えています。


ホームの造りは他のものと一緒のようです。


ふと下を見ると枕木を発見しました。今となっては貴重かも?


仮乗降場として開業したのは1961(昭和36)年。廃止からだと24年経過してます。


さっきからずっと気になっていた、倒壊した建物に近づいてみます。


窓枠のメモには『標津線廃止23年。代替バス待合所も壊され移転。崩れる直前の平糸駅待合所。バス路線は別海市街地で変更されている。』荒川局の封筒ですが、東京から訪ねて来たのかな?廃止23年時点で崩れる直前ということは、去年までは建っていたことになりますね…遅かった!


平糸駅待合所はどんな建物だったのか、気になりますね。


訪問は2013年6月です。初夏の緑が輝いています。


森の中の苔むしたホーム、絵になりますね。

 

冬の平糸駅。夕暮れ間際です。


冬よりも夏のほうが絵になりますね。


それでも、ホーム土台の赤色は映えます。


夏に見た、待合所に貼ってあったメモはまだ残っています。


平糸駅から中標津方向に盛り土っぽい道を100mほど歩くと、謎の小屋があります。


中を覗いてみましたが、何だかもうわかりませんw


小屋に貼ってあったプレートに、怪しい落書きがありました。1992年に発生したあの事件でしょうか?あまり触れないほうが良さそうです。


裏に回ると眼鏡石。暖房器具があったようです。


いろいろ見た感じ、やっぱり保線小屋だったんじゃないかと思います。


あと数年経過すると、平糸駅の待合所のように倒壊してしまいそうですね。

標津線支線 奥行臼駅

北海道野付郡別海町奥行にある奥行臼駅。2012年訪問。


奥行臼駅跡は、木造駅舎・ホーム・詰所などが別海町の指定文化財として指定され、見学が可能となっています。


教育委員会の案内板


傾いた駅名標


木造駅舎の内部です。普段は施錠されているようですが、奥行臼駅逓所の方に入れて貰いました。駅の待合室には、往時の写真などが展示されています。


歴史を感じる窓口
小窓の向こうは駅務室です。小窓の下方の板には乗客と切符をやり取りするための開口部がありましたが、心無い見学者がその穴から手を突っ込んで駅務室内に飾ってある古いそろばんなどを悪戯するらしく、空いていた穴は塞いだとのことです。


運賃表
泉川駅で使用されていたもののようです。




さりげなく置いてあるこの農協のベンチは、相当古いもののようです。電話番号がT39と縦に2桁書いてあります。


ホーム側の出入口です。


中央にもホームがあります。


ポイント
分岐点の向こうに見えるのは奥行臼駅の駅舎です。




線路脇にあったもの
役割は不明です。ポイント切り替え?


転轍機標識
分岐の方向を示すためのものだそうです。


別角度より


腕木式信号機


信号機の下にあった滑車です。信号操作のためのものでしょうか?ワイヤーも残っています。


奥行臼駅跡には、駅舎やホームだけでなく線路や信号機などが保存されていますが、一部のものは自然に飲み込まれそうになっていました。

 

その後、2014年訪問。奥行臼駅逓所の改修工事に伴い駅逓所の係員常駐をやめたため、駅内部の見学が出来なくなっていました。これまでは駅逓所の係員に申し出ることで駅舎内部の見学が出来たのですが。改修工事は平成30年まで続くようです。


今回も駅名標は電柱と一緒に傾いていました。倒れないか心配になります。


改修工事中ではありますが、下草はワリと綺麗に刈られていますね。


交差するレール


信号機が緑に飲み込まれそうになっています。


安全第一と書かれているのは保線小屋でしょうか。

 

更にその後、2015年に訪問。相変わらず『史跡旧奥行臼駅逓所保存管理計画』で、駅内部は見ることが出来ません。


今回も同じような季節に訪問しました。


腕木式信号機


今回も傾いている電柱。倒れてなくて良かったです。


駅名標と電柱の傾き具合が良くわかります。


こちらは職員用風呂場の建物。春別駅から移築したという話です。


あまり聞いたことがない風呂専用の建物、昔は一般的だったのでしょうか?


何故か窓が開いていたので中を覗くと、浴槽を発見。


天井にあった窓ガラス。明り取りの窓でしょうかね。


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