北海道夕張市のシューパロダムに沈む鉄道橋、通称三弦橋。
大夕張営林署によって昭和初期に敷設された森林鉄道の鉄道橋で、1958(昭和33)年に完成し1963(昭和38)年の夕張岳線廃線まで活躍しました。道路の整備が進み、木材の輸送には自動車を利用するようになったことで、わずか5年で廃線となったようです。
この三弦橋は世界的にも稀な『四角錘を並べて頂点を結び、断面が二等辺三角形になる特異な形式のトラス橋』という構造なんだとか。
南部青葉町からダムへ
国道452号から道道136号へ、夕張川を渡ったところにある南部青葉町商店街を抜け、シューパロダム管理事務所を目指します。
注意事項を確認
商店街の先には、ダム専用の管理道路の注意看板があります。
ざっくり言うと、道が悪くて狭くて見通しが効かないので自己責任でね、という内容でしょう。
確かにシューパロダム管理事務所への道は未舗装ですが、悪路というほどではなく前半はほぼ真っ直ぐで道幅も広く、とても走りやすい道です。
後半は多少曲がっている程度で、普段から林道慣れしている自分にとっては余裕ですねw
シューパロダムが見えてきました。
管理事務所は今年の3月から一般車輌の乗り入れが可能となったようで、今なら『日本最大の三弦トラス鉄道橋』を見ることが出来る!という情報を得たので急遽訪問しました。
三弦トラス鉄道橋
管理事務所横の駐車場に到着すると、すぐそこに三弦橋が見えました。
思っていたよりもずっと近いです。
下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁
正式名称は下夕張森林鉄道夕張岳線第一号橋梁、通称三弦トラス橋です。
シューパロダムが完成すると水没してしまいます。橋の向こうには第二~第四号橋梁が見えます。
下夕張森林鉄道夕張岳線第二号橋梁
かなり離れていましたが、300mm望遠レンズでなんとか撮影!
下夕張森林鉄道夕張岳線第三号橋梁
こちらは三号橋梁。
下夕張森林鉄道夕張岳線第四号橋梁
かなりトリミングしてますが、一・二・三・四号と一応確認出来ましたw
三弦トラス橋を観察
まだ少し、枕木のようなものが所々に残っているようですね。
ダムに水没すると全部無くなりそうです。
下に降りてみたいところですが、かなりな高さのため諦めます。
同じ水没橋梁である『タウシュベツ川橋梁』はコンクリート製で劣化がかなり進んでいますが、この三弦橋はそれ程劣化しないかも知れません。
でも錆は進みそうですね。
シューパロダムが完成するとこの高さまで水が溜まり、今日見た遺構は全て水没するということを確認しました。
最後に管理事務所を訪問し、夕張南部の写真などの展示物を見学していたところお土産にダムカード(国交省)をくれましたw
南部青葉町
三弦橋の帰り道、来る途中に通り抜けた町が気になったので、立ち寄ってみました。
この辺りは南部青葉町商店街で、食料品店にガス・電器店、焼肉屋やスナックなどの廃墟が並びます。
人の気配が無いこの町は、果たして無人なのでしょうか?
写真を撮りながら歩いていると人の気配がありました。
雪掻きをしている方がいらっしゃいます。どうやら無人という訳ではないようです。
聞き取り調査
夕張のことはほとんど何も知らないので、この商店街について尋ねたところ『少し離れた所に数世帯あるけど、ここの一角には2軒を残すだけだよ』と教えてくれました。
やはり炭鉱の閉山などにより、この町から徐々に人が居なくなってしまったそうです。その方は当時の商店街のお話を、見知らぬ自分に笑顔で話してくれました。
貴重なお話しをありがとうございました!
三弦トラス橋レポートは以上です!