士幌線の廃線跡2020

2020年11月25日水曜日

廃線・未成線

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2019年7月、旧国鉄士幌線の第六音更川橋梁が崩落したというニュースが流れました。1938年完成のコンクリートアーチ橋は国の登録有形文化財に指定されていますが、以前見た時( 過去記事参照) から既に『浮いている状態』でした。完成から70年超経過し遂に支えきれなくなったのでしょう、崖崩れに伴って橋が折れたようです。それから一年後、やっと現地を確認することが出来ました。

士幌線の歴史は1939年、帯広~十勝三股間が開通するところから始まります。当時は帯広~上士幌までを士幌線、上士幌~三股間を音更線としていたようです。鐵道省旭川工事事務所発行の『音更線建設要覧』によると根室本線と石北本線を連繋する目的もあったようです。1955年、糠平ダムの建設で糠平駅から幌加駅までの路線が水没することとなりルート変更が行われ、糠平湖の誕生と共にタウシュベツ川橋梁は水没することとなります。1972年、国道273号の整備が進み三国峠が開通。鉄路ではなく道路で連繋することとなり、同時に沿線の人口減少が加速します。1978年、糠平~十勝三股間の乗客数落ち込みによる不採算区間の運行が休止となりバス転換となります。1987年、国鉄の赤字解消のため全線廃止し、バス路線となりました。


しばらく外出を自粛してたので久しぶりの探索。北海道河東郡上士幌町にある幌加除雪ステーションです。感染症の影響でここのトイレも閉鎖されていました。


目の前に第六音更川橋梁。真新しい杭にトラロープで危険を警告しています。


危険区域を回り込んで橋を確認。やっぱり折れてますね。


上から覗き込むと、路盤に敷いていた砂利などが流出してしまったのか空洞が見えます。


肝心の橋脚部分も見たかったのですが、雪がそこそこ積もっていて降りるのは断念しました。


時間が余ったので第五音更川橋梁を見に行きます。


説明看板によると、第五音更川橋梁はタウシュベツ川橋梁につぐ規模で音更川を跨ぐ部分は23mの大アーチとなっているとのことです。


幌加駅から第五音更川橋梁は遊歩道が整備され、立派な階段も設置されています。階段を降りて右を向くと幌加駅の方向、左には第五音更川橋梁があります。


金網越しに橋梁の路盤を確認。真っ直ぐ奥まで続いています。


振り返って幌加駅の方へ。鹿の足跡はたくさんありました。熊じゃなくて良かった。


幌加駅の説明看板は金属製の立派なものです。駅跡にはホームとレールに切替器付きのポイントも遺っています。


実はこんな警告がありました。今年はクマの出没が各地で相次いでいるのですが、ここも同じようです。


普通の熊は冬眠してるんでしょうが、人間にも色々いる様に熊にも変わり者がいるので冬でも安心は出来ません。


士幌線の最後は、見納めと言われ続けているタウシュベツ川橋梁を遠巻きに確認します。この時期は湛水期なので湖面から少し顔を出した状態になっています。


崩壊部分は右から3つ目と4つ目のアーチ間です。今から10年ほど前に崩壊が確認されて以降、毎年のように見納めと言われ続けていますが、今年も無事なのを確認出来ました。


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遺構については個人が趣味の範囲で調べたものですので、必ずしも正確なものではありません。また、当ブログでは熊などが生息している危険な場所を扱うことがありますが、探索を推奨するものではありません。なお、当ブログを見て何らかのトラブルに巻き込まれても当方は一切責任を負いません。

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