旧国鉄士幌線は、根室本線の帯広駅から分岐北上して上士幌町の十勝三股駅まで走っていた路線で、1987(昭和62)年3月に廃止となりました。現在でも廃線跡には数多くのアーチ橋やトンネルなどの鉄道遺構を見ることが出来ます。
位置関係はこんな感じになります。中央のアーチ橋脚が撤去されたというワケではなく、2つのアーチ間にはかつて鉄製のガーダー橋が架かっていたようです。
ガーダー橋撤去工事では、工事中に接続部分が切断し橋桁が墜落するという事故が発生し、死者2名・重傷者4名を出したようです。1956年に発生した痛ましい事故です。
第二音更川陸橋
第二音更川陸橋は、陸橋というだけあって川を渡らない橋梁になります。1936(昭和11)年竣工、士幌線旧線の橋梁になります。
なんとか近くで見ようと岩場を進みます。
これ以上は限界というところで撮影。5連アーチのようですが、4連しか捉えられずw
雨が降ってきたので退却します。長靴では最深部までの到達は無理でしたw
タウシュベツ川橋梁
1937(昭和12)年竣功のタウシュベツ川橋梁は、2013年で竣功76年目。この時期は湖底が露わになり、橋梁の全てを見ることが出来ます。
士幌線の廃線跡です。この先にタウシュベツ川橋梁があります。この日は自転車で来ていましたが、こんな所を走ったら雪解けの水でベチャベチャになるので歩きました。
路盤上を確認するため、取り付き部分に乗ります。
糠平湖の湖底へと降りて行きます。
逆方向からも撮影しました!
ここはコンクリートがかなり薄くなっています。ここも危ないですね。
ふと湖底を見ると、無数の切り株があるのを確認。野付半島のトドワラを彷彿とさせます。
新聞等では今年で見納めと言われているタウシュベツ川橋梁ですが、その崩壊具合を確かめてみます。
内部に詰めてあった玉石などが流れ出ています。崩落するとしたらこの部分でしょうか。
タウシュベツ川橋梁~音更トンネル間
タウシュベツ川橋梁の北西、国道273号へ抜ける林道から西側へ一本入ると、音更川沿いに走る士幌線の廃線跡があります。廃線跡は所々崩落し倒木も多く、自転車での走行には適さないような荒れ道。あちこちに鹿の死骸が転がっているという異世界に足を踏み入れてしまいましたw
廃線跡と思われる道を辿り始め、ものの数分で古そうな橋梁を発見しました。
それ程大きな橋ではありませんので、鉄道橋か道路橋か自信ありません。廃線跡にあるのだから鉄道橋だとは思いますがw
隧道も人が屈んで通れる程度のサイズなので、導水トンネルでしょうか?暗渠とかカルバートとか言うやつですね。
抜けた先は崖になってますが、いかにも水が流れていたっぽい感じですのでやはり導水路でしょう。崖の下には音更川が流れています。
小さいワリにはしっかりと造ってある感じの橋でした。この先も廃線跡を辿って歩きましたが、途中崩落箇所があり危険でした。その上、このすぐあとに熊と遭遇しかけた(逃げて行った)という事件が発生し、冒頭から多数の鹿の死骸で嫌な予感はしてたとは言え気持ちに余裕がすっかり無くなってしまい、写真はこれだけとなりましたw
音更トンネル
音更隧道は1937(昭和12)年の竣工ですので、ざっくりと70年以上前からのトンネルになります。大雪山の永久凍土を貫いているトンネルです。
音更Tのプレートがついています。ちなみに永久凍土とは、2年以上連続して凍結した状態の土壌のことで、ツンドラなどが有名です。トンネルの周りには雪が残っていますね。
登録有形文化財のプレートがついています。70年以上前の歴史的建造物。
施錠されており侵入は出来ませんが、中を覗くとレールを確認出来ました。こちら側からは入れそうもないので写真はこれだけになります。