大湊警備府厚岸防備隊 防空電信室

2021年6月13日日曜日

軍事遺構(北海道)

t f B! P L

北海道厚岸郡厚岸町、1944年6月10日に設置された『帝国海軍大湊警備府厚岸防備隊本部』の遺構探訪をレポートします。

キャンプのために筑紫恋キャンプ場を調べていたところ、何の前知識もなくGoogle航空写真で偶然見つけたものでした。

変な形のモノを発見!

画像@2021 Maxar Technologies、地図データ@2021

Googleマップの航空写真で何気にコレを見たのがキッカケで、現地を確認することにしました。

ネットで色々調べてみると、大湊警備府厚岸防備隊の本部があった場所のようです。


JACAR(アジア歴史資料センター)Ref.C08030455500(第10画像目)、昭和19年6月1日~昭和20年6月30日 厚岸防備隊戦時日誌(1)(防衛省防衛研究所)

この資料は厚岸防備隊戦時日誌というもので、

『昭和十九年六月十日 厚岸防備隊編成セラレ 即日 開隊本部ヲ 北海道厚岸町筑紫恋(元受信所)ニ置ク』

という記述があることから、筑紫恋の元受信所に本部があったことが確認出来ます。

ちなみに元受信所というのが何だったのかは知りません。

上記位置図には、

①本部

②愛勝布防空砲台

③愛勝布特設見張所(丙)

④床潭防空砲台

⑤大黒島海面砲台

⑥大黒島防備衛所

⑦大黒島特設見張所(戊)

⑧水警隊

⑨門静送信所

⑩航空基地

と10箇所が記載されていますが、あまり詳しくないので多くは語れませんw


現地に到着しました

冒頭の遺構は地図①(本部)の場所から少し内陸側にある雰囲気です。


これがそのコの字型遺構です。

別の資料『厚岸町埋蔵文化財包蔵地一覧』の中で「海軍大湊警備府厚岸防備隊本部跡(集落跡)」「筑紫恋弾薬庫跡遺跡」などと紹介されていたことから、この遺構はてっきり『弾薬庫』だと思っていました。

ところが、です。

いつも参考にさせていただいてますこちらのサイト様の見解では、

『戦闘指揮所的な施設か電信施設だろう。形状から弾薬庫類ではない(と思う)。』

とのことで、アジ歴の別の資料も調査したうえで『防空電信室』だと結論付けていました。

…納得です。

わざわざコの字の弾薬庫というのがしっくりこなかったので腑に落ちました。

まあ、今となっては『厚岸町埋蔵文化財包蔵地一覧』という資料がどこかに行ってしまい見つからないので、私は一体何を見たんだかわかりませんw


これが全景です。

コの字型になっており、換気塔が数本立っています。

電信室とは通信機器を格納するための掩体、と言ったところでしょうか?

それにしてもこの遺構が何故コの字型になっているのかは全く見当もつきませんw


遺構は思ったよりも埋まっておりガッカリしましたが、元々半地下だったようです。


内部への連絡口と思われる部分は少し抉れた感じになっているくらいしかわかりませんでした。

今回は偵察が目的だったのでサンダル履きで来ていたためここまで。また後日。


再訪しました

数日後、探索仲間と再び訪問。

今回はちゃんとした靴を履いて来ましたw


再訪ということで前回より入念に調べてみたところ、いろんな所にひび割れがあることを発見。


ここなんかはハッキリとひび割れているので、あまり遺構には乗らないほうが良いかも知れません。


ちなみに、近所で水道工事をされていたご年配の方にこの遺構について尋ねてみたところ、これは『弾薬庫』だと教えて下さいました。

地元ではそう呼んでいるのかも知れません。

ちなみにちなみに、全く別の方のブログでもここは弾薬庫と紹介されていましたが、真相はやはりアジ歴に記録があることから『防空電信室』なのではないでしょうか?

となると『厚岸町埋蔵文化財包蔵地一覧』の「筑紫恋弾薬庫跡遺跡」はどこにあるのでしょうね?


今回は多少雑草を除けて確認してみましたが、完全に埋まっているということが確認出来ただけでした。


この連絡口と思われるものの上部には錆びた釘が数本刺さっています。


遺構越しに我々の乗ってきたジムニーを撮影w


最後に換気塔の内部を確認。

往時には換気塔上部に屋根があったと思われますが、今は何も無くなっており内部には水が溜まっているのを確認出来ました。

中が見たいです。


以上、厚岸の軍事遺構でした!


翻訳 Translate

更新状況 Updates

ブログランキング Ranking

ブログランキング・にほんブログ村へ 人気ブログランキング

おすすめ Suggest

室蘭工場夜景2018

2017年、北海道室蘭市の工場夜景に異変が発生しました。 2017年9月、JXTGエネルギー室蘭製造所が2019年3月末をもって製品製造部門から撤退することを発表。 室蘭の工場夜景は人気が高く、新たな観光資源として注目を集めていたのですが、室蘭観光協会は撤退によって『どの程度明か...

人気の投稿 Popular

注意事項 Caution

遺構については個人が趣味の範囲で調べたものですので、必ずしも正確なものではありません。また、当ブログでは熊などが生息している危険な場所を扱うことがありますが、探索を推奨するものではありません。なお、当ブログを見て何らかのトラブルに巻き込まれても当方は一切責任を負いません。

旧ブログ『探索の痕跡』(2024年10月移転)

プライバシーポリシー APPI

ページビュー PV

QooQ