北海道根室市花咲港209番地にある歴史と自然の資料館です。根室市周辺の歴史・自然資料の他、樺太に設置されていた日露国境標石など貴重なものが展示されています。建物はレンガ造りで1942(昭和17)年に大湊海軍通信隊根室分遣所として建設、太平洋戦争後は花咲港小学校として利用されていました。
根室市歴史と自然の資料館、入場は無料です。
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日露国境標石 |
正式名は「樺太日露国境第二天測境界標」です。1997(平成9)年、ロシアの民間人が所有していたものを根室の有志が入手し、北方領土問題解決のため国境について考えてもらう資料として根室市に寄贈したものだそうです。日本側には大日本帝国、ロシア側にはPOCCIR(Rは逆向き)と刻まれています。
POCCIR(Rは逆向き)はキリル文字でRussiaのようですが、鷲のマークはロシア帝国の紋章でしょうか?詳しいことはわかりませんが1906と刻まれており、側面にも明治三十九年とあります。1905(明治38)年、アメリカのポーツマスで日露戦争の講和会議が開かれ、ポーツマス条約が調印されました。その翌年に国境標石を置いたということでしょうか。
国境標石を置いた場所についての説明ですね。樺太(サハリン)は根室からかなり離れた稚内より北に位置します。北海道の更に北にある島にあった国境標石が、北方領土のある根室市に展示されているという意味は大きいと思います。
展示物は他にもいろいろあります。
この神殿は明治中期のもので、根室市内の商家で祀らていたものです。
これら展示物の他にはたくさんの剥製の展示もありました。何よりも、ここの資料館では根室市の戦争遺跡についての研究資料『旧日本軍本土防衛陣地遺構現況調査報告書』が閲覧できますので、戦跡・軍事遺構に興味のある方にはオススメですよ!