昭和炭鉱跡(沼田町)2017

2017年11月19日日曜日

炭鉱(昭和)

t f B! P L

北海道雨竜郡沼田町に存在した明治鉱業昭和炭鉱は、ほろしん温泉の北、ホロピリ湖の更に北に流れる幌新太刀別川沿いにありました。炭鉱は1969年に閉山となり、現在も選炭場などの炭鉱遺構やかつての集落跡、炭住アパート群や全国的にも珍しいと言われる隧道マーケットなどの遺構が今も遺されています。

閉山後は無人となったため、炭鉱遺構までの道路はいつの頃からか途中で崩落し修復もされないまま今に至るため気軽に車で入って行くことは出来ません。熊が居て電波も通じない山奥への道をひたすら歩いて行くこととなるため、到達はやや困難な場所となっています。

今回は、普通の熊は冬眠しているであろう真冬の探索を行いましたが、現地には雪が結構積もっており、体力、主に脚力勝負で自分との戦いの気力勝負となりました。結果的には勝利したのですが、代償として最後には両足の太ももが攣るという激痛をお見舞いされてしまいましたがw

今回は隧道マーケット完全制覇が目的

2回目となる昭和炭鉱で、前回は水没により到達出来なかった『隧道マーケット』の終端地点に上陸することを今回の目的としました。とは言え終端地点に上陸したところで特に何かあるわけでも無いのですが…達成感ですかねw

安全な場所に車を停め徒歩での移動を開始します。出発時点ではご覧の通り晴れていましたが途中から吹雪に見舞われ遭難するかと思いましたw


炭住アパートに到達

開始から約2時間、膝までの積雪のなかを休み休み歩き奥地にある炭住アパート群まで到達。この時点で既に体力を使い切り、足が上がらなくなるくらいまで疲労してしまいましたw


取り敢えず仲間と一緒に記念撮影。余裕でピースしてますが、ここに来る途中から吹雪になっていたため余計に体力を失ってしまいました。

他の二人はお若いので平気そうでしたがw


雪が降ってても探索

気を取り直して炭住アパート群を見学します。吹雪は若干おさまり雪は小降りの状況です。まだ11月だというのにこの積雪量、さすがは沼田町です。


ご覧の通り雪は降り続いていますが寒さはそれほどではありません。

もっと気温が低ければこんなに奥地まで来ずに真っすぐ目的の『隧道マーケット』へ直行してました。


当然除雪などは入らないので積雪が多く、未だに足の疲労も回復していないためこれ以上奥のほうまでは行きません、というか行けません。


当面雪は止む気配がありません。それでもせっかくなので写真は撮りますw


これ程の大雪ですので建物に与えるダメージは大きく、前回訪問時にはここまで崩れてなかったハズですが…年々崩壊が進んでいるようです。


あまりの雪の多さで堪らず建物に避難しました。


中に入ってみると、天井が思いっきり歪んでいて危ない状態を確認…これは今にも崩れそうです。

待ってみても降雪という状況は改善しないので、時間も限られているためこれにて炭住アパート群を切り上げ、隧道マーケットまで戻ってみることにしました。


一気に隧道マーケットまで戻る

炭住アパートから15分ほど来た道を戻り隧道マーケットへ。靄がかかっていますが雪なのか川からの湯気なのかカメラの結露なのかは忘れましたw


隧道内は生暖かく、尋常じゃないくらいに高湿度だったため屋外と隧道内との気温差により結露が発生、レンズを拭いても拭いても曇ってくるためカメラが全く使い物になりません。

【防塵・防滴構造】【-10℃耐寒動作保証】を誇るPENTAX K-5でしたが…結露対策が甘かったようです。回復するにはしばらく常温に晒す必要があるためK-5での撮影は諦めます。


カメラもそうですが、こうなってしまっては重いのにわざわざ持ってきたAMT三脚も当然使い物になりません。重いだけでしたw

仕方がないので三脚には濡れてしまった安物の防寒着を干す、という任務を与えましたw


ここからはスマフォを使っての撮影です。

いくら安物のスマフォとは言えポケットに入れてあったことで結露は免れ、真っ暗な隧道であっても何とか使えそうです。色味がおかしいですが、なんにも撮れないより遥かにマシw


川島商店さんの看板。この辺りから床面に水が溜まり始めます。


真冬のマーケット内では、夏より増えたコウモリさんと謎の小さな虫が多く見られます。


高湿度の環境の中、マーケット内には未だ崩れることなく形を留めているものもあります。


前回こんな落書きあったっけ?昔の落書きかも知れませんが、わざわざ大変な思いでこんな山奥までやってきてすることか?といつも思ってしまいます。


マーケットの入口からは光が入って来ています。


扉などいろいろな物が水没してますが、隧道内は暖かいためか凍ってはいません。

この店を越えた辺りから水没地帯が始まります。


隧道マーケットの終端地点を目指す

前回は長靴で挑みましたが水没地帯の深度は大きく、隧道の終端地点を目の前にして断念。その反省を活かし特殊なウェダーを持参しました。もちろんウェダーなんて持ってないので自作ですw

どう見てもゴミ…ビニール袋ですが、なんと二枚重ねです!w


入水テスト。所詮はゴ…ビニール袋(大)なのでいつ破れるか不安ですが、思ったより大丈夫そうですw


勇気ある仲間がどんどん先に進んで行きます。もしここで浸水したら靴も靴下もズボンも濡れてしまい、帰りの雪中徒歩4km強で地獄を見ることになります。着替えも無いので帰りの車中も悲惨な状況になるでしょうw


終端地点が見えてきました

隧道の終端(崩落)地点から入り込む光が見えてきました。前回はこの手前で断念しましたが、今回は特殊なウェダーがあるので突破出来そうです。


水没地帯の最深部を突破中。もうあと少しで隧道マーケットの終端地点です。

特別仕様ウェダーの長さはギリギリ足りましたw


終端地点に上陸!

まずは隊長が隧道終端地点への上陸を果たします。ただ『行ってみたかったというだけ』の目標を達成しましたw

全員物好きですw


隊長に続いて上陸しました。ここが隧道の逆側坑口なのか途中で崩落したものなのかは知りませんが、これにて隧道マーケットを完全制覇ですw


完全制覇記念のピース!

ちなみに足元はこんな感じの泥沼地獄になっており、特殊ウェダーに泥がしつこく絡んでくるため足がなかなか抜けず苦労しました。

破けると大変なことになりますので気を遣います!


自己満足!w

上陸地点から振り返ります。あとは戻るだけ。

隧道を出た後は、再び膝までの雪の中を2時間歩いて戻りましたが、途中で腸骨筋が限界を迎えたため一歩進むだけで経験したことのない激痛が走る状態となったものの、既に日没を迎え暗闇が迫っているため休むことも出来ず、吹雪・日没・激痛のトリプルパンチをお見舞いされてしまいましたw

ちなみに今回使用したゴミ袋ウェダーは、きちんと持って帰って処分しました。

とって良いのは写真だけ、のこして良いのは足跡だけw


(参考:昭和炭鉱2015 その壱 / 昭和炭鉱2015 その弐 / 昭和炭鉱2021


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