北海道雨竜郡沼田町にかつて存在した昭和炭鉱。炭鉱で栄えた街には隧道マーケットと呼ばれる10軒ほどの商店がトンネルの中に並んでいました。商店街のためだけに隧道を用意したとは思えないので鉄道の隧道だったのではないでしょうか?とは言え留萌鉄道の炭礦線が通っていたのは選炭場までなので、炭鉱の専用線だったのかも知れませんが調べて見てもよくわかりませんねw
煉瓦の遺構から10分ほどで隧道マーケットの入口が見えてきます。道路からだと小川をわたることになるのと、隧道の奥が浸水しているため長靴は必須アイテムです。
隧道の坑口、というかマーケットの入口です。木製の扉が片側だけ遺っています。
隧道内はかなり湿気が多く埃っぽい感じです。
入ってすぐのところに分電盤らしいものと、入口のものと思われる扉の片割れが立てかけられています。
外圧からか天井が下がってきているようで、かなり危険な状態です。
ここから商店街までは黒い煉瓦模様の壁が続きます。床は隆起しひび割れてきており、上から下から崩壊が進んでいる模様です。これが強度的にどうなのかは知りませんが、隧道に入ることは推奨しません。奥のほうで光っているのは探索仲間のもので、本来は真っ暗です。
ここからマーケットが並びます。店の扉に張り紙がありました。
拡大します。みなさん手を握り合って頑張ろう 昭和支部 閉山反対斗争本部
こちらはお菓子屋さんのようで、店の奥に『室菓子店』の看板が立てかけられています。隧道の壁をくり抜いてから新たに商店の壁や天井を作ったのでしょうか?そんなことが可能かどうかはわかりませんが。
『アイワ』『森山の菓子』『ポケットシルバー』『ミルクキャンディVigor』などお菓子関係の缶が並んでいます。奥にある棚には昭和30年代の洗濯用洗剤『アルコ』の文字が。
この新聞は、1969年のもののようです。
北海道限定品『ガラナ』の瓶もあります。個人的にはコーラよりクスリっぽい味かと。
ふと振り返ると待避所のような窪みがあります。元は鉄道の隧道だったのでしょうか?ちなみにぶら下がっているのはコウモリですが、LEDライトにはあまり反応しないようです。
『宮呉服店』の看板が立てかけてあります。
ここにもコウモリがぶら下がっています。このあともあちこちで見かけましたが、飛んでるヤツは居ませんでした。
『川島商店』呉服屋さんかな?
ここにも閉山反対の張り紙があります。閉山に反対する労組vs会社の闘いの跡ですね。
この辺りから奥へかけて、水浸しとなっています。
掠れて見辛いですが、『島貫商店』でしょうか?ここが最後の店のようです。
何かよくわからない金属製のものが水浸しになっています。
商店街の先にも隧道は続いています。ここからの壁は、最初に見たような黒い煉瓦模様になっています。
隧道の反対側が見えてきたところで長靴が限界を迎えます。浸水ギリギリのところから撮影しました。最深部は崩落し土砂が流入しているようです。
戻りながら店を確認します。
ここにも張り紙がありました。みなさん手を握り合って頑張ろう 団結・・で斗い抜こう 昭和支部 閉山反対斗争本部
壁面もヒビだらけです。外圧に負けていつ崩落するかわからない状態です。
ビニール紐に棒がぶら下がっています。干物用?
外からの光が大きくなって来ました。せっかくだから、もう少しウロウロしますw
これは電気メーターでしょうか?
この部分、天井の高さが違っているのがわかりますね。マーケットが並ぶエリアのみ天井を拡張したのでしょうか?手が込んでますね。
後ろ髪を引かれる思いで戻ります。配管の先にはビニール袋がぶら下がっていますが、頭などをぶつけるのを防ぐため、優しい誰かが目立つように配慮してくれたのかな?
スタート地点に戻って来ました。
最後は選炭場付近を見学します。
何かはわかりませんが、入れそうなので下に潜ってみます。
内部。こんなところにまで煉瓦が使われていますね。凝ってます。
真っ黒な土砂が流れ込んで来ていますが、これは貯炭関係の建物でしょうか?
恐らく石炭積出ホッパーですね。二列並んで連結したものを良く見かけますが、コレは一列のみ。コの字型になっていて、もう片方は逆側にありました。開口部付近にある錆びたハンドルは、ホッパーの手動開閉操作用でしょうか?これもあまり見かけませんね。
これはポケットでしょうか?
何かはわかりませんがカッコいい形です。
高い位置から石炭積出施設を撮ってみますが、木が凄くて非常に見辛いです。秋の終わりでこうですので、いつ来ても全体が見辛いのではないでしょうか。ホッパーが両翼に並んでコの字型になって…って全然わかりませんねw
ホッパーには木製の扉がついていたようで、残骸が遺っていました。
中に入るとすぐ階段があり手前で分岐、奥にも続いています。
階段を登りきったところです。上がったり下がったりと複雑ですが、階段好きにはたまりませんw
奥の部屋には解体しかけてやめたような跡が見られます。
ここにはカサのついた電灯が遺されています。あの大穴はボイラーの煙突抜けでしょうか?
階段を降りたところにある円形の浴槽が中央にひとつ。仕切っているのは湯温を分けていたのかな?
更に小さいサイズです。掛け湯用でしょうか?