羽幌炭鉱跡(羽幌町)其の弐

2015年12月6日日曜日

炭鉱(羽幌)

t f B! P L

と言うわけで5Fへ到着。地上28mの『捲揚機室』、このタワーの最上階になります。


捲揚操作盤室です。


立坑信号表には昭和40年2月の日付があります。また、人巻時運転心得・手動運転時心得などが掲示されています。ケージの運転室というところでしょうかね。


やはりあった、どうでも良い落書きw こんな危険な思いまでして落書き、とは思えませんので、まだ立坑タワーの階段が危険な状態じゃなかった時代のものでしょう。


立坑捲上機分解工具掛。分解メンテナンス用工具を置いていたのでしょう。工具の一つ一つが巨大だったようです。布袋仕様w


ロッカーには、メンテナンスで使っていたような物が遺ります。


左には『起重機』、右には『人を運搬する巻上装置』の認可証が貼られています。ちなみに起重機というのを調べると、『人の力では動かすことのできない重量物をあげおろしするための機械』なんだそうです。それと『メインロープ仕様』『テールロープ仕様』も。メインロープは名稱(名称)『フラット形コンセントリックロープ』、テールロープは『フラットロープ16本線4より8本並べダブル編み』です。サッパリワカリマセンw


モーターと滑車、制御盤が並んでいます。


メインの滑車と制御盤です。滑車の裏にはメンテナンススペースがあります。


これがメインの動力滑車です。超逆光で白飛びしていますw


5Fはガラスの無くなった窓がたくさんあるのでとても明るいです。この窓から入ってきた雨や雪の水分により、5Fの階段だけが錆び落ちたのでしょうか?


頭上には移動式のクレーンがあります。クレーンについている、青い看板が目を引きます。


最上階のエレベーターには、一階には無かった『▽①②③④⑤△』のランプと『呼ボタン』が残ってました。エレベーターの向こうに見える梯子を上ると、5.5F→屋上へと続きます。


5階から屋上までの間には運転室のような小部屋と、メンテナンス用と思われるいつくかの通路もあり、それらは鉄製の梯子で連絡されています。


こちらはエレベータの巻上制御室、だそうです。


エレベーターの『ロープ履歴』でしょうか?19×6(ウォーリントン型)帝国産業㈱製、昭和39年9月18日取付、新品だそうです。捲揚げのロープは東京製網製でしたね。


足元には木箱が転がっています。木箱の漢字をなんとなく読み取ると『中国貴州茅台酒』?茅台(マオタイ)酒は『中華人民共和国貴州省特産の高粱(カオリャン)を主原料とする蒸留酒』なんだそうです。ようは酒が入ってた木箱なんですねw その下にある漢字は恐らく『毎箱丙打装』でしょうか?箱ごとに梱包しているようです。


この部屋、ガラスが少し遺っていますね。


ここから5Fを見渡すことが出来ます。


小部屋を出て、クレーンのメンテナンス用っぽい通路へ。


フックがぶら下がっています。


住友機械と書いた看板だけ雨風に晒されても劣化せず、まるでペンキ塗りたてのようです。


10tクレーンですね。


クレーンの上まで登りました。もうすぐ屋上です。


クレーン移動のためのレールが見えます。ちなみにこの場所、後ろは硝子の無い窓際となっており、足を滑らせると一巻の終わりですので緊張します。


ついに制覇!屋上に到達です!高さは地上39m。実は最後の梯子というか屋上への連絡口は非常に狭く、体ギリギリの広さで窮屈な姿勢を強いられるうえ、屋上へ出る時に方向を間違えると地面まで一直線となってしまいます。階段も危険でしたが、屋上にも危険なトラップがあるわけですね。エキスパートの方2名が一緒だからこそ無事に登頂に成功しました!


頂上からは、炭鉱アパートでしょうか?数棟の建物が見えますね。


真下には丸い遺構、シックナー?が見えます。望遠で撮ってます。


羽幌炭礦鉄道の社章です。匍匐の姿勢で撮ってますw


真下に見えるのは立坑の付帯施設。離れた場所には選炭工場も見えますね。


こちらは電光時計の架台、とのことです。どんな時計だったのでしょうか。


屋上を堪能したので下山します。


屋上までの道のりは非常に危険ではありますが、一度は見ておきたかった場所でした。凄い経験となりましたので、当分は登らなくても良いかなw


無事に1Fまで戻り、ガイド櫓の脇にある『出坑口』を抜けると立坑付帯施設へと続いて行くのですが、その前に周辺の小部屋を確認します。


保安教室だった部屋とのことです。棚や作業台のようなものがあります。


棚の上には粉を噴いた充電池みたいなものが置かれていました。教育用の備品でしょうか?


出坑口の近くにあったトイレです。


小便器が並んでいます。今ではあまりこういう形のものは見かけなくなりましたね。


当然大便器も確認します。


あとは…外へ出られそうな階段がありましたが、崩れていました。

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