幌内炭鉱跡(三笠市)2015

2015年10月18日日曜日

炭鉱(幌内)

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北海道三笠市の幌内炭鉱は1879(明治12)年に開発され1989(平成元)年に閉山した炭鉱です。布引坑は幌内炭鉱の主要坑口として1917(大正6)に開坑されました。遺構の中には開坑当時、大正時代に建造されたものもあるようです。今回は繰込所・捲揚室から更に奥地まで入り、斜坑や送風機室に扇風機動力室と前回よりディープな探索となりました。

まずは繰込所です。建物はレンガ製モルタル仕上げと言うのでしょうか、炭鉱跡でよく見られる造りですが、この時代の主流だったのでしょうか?


屋根はほとんど無くなっており、残り1/4くらいです。


手元の資料によると『幌内の炭鉱事務所と布引の竪坑の間を連絡する人車と、坑内へ入出坑する竪坑ケージとの乗り継ぎ時に鉱員が待機していた建物』のようです。


繰込所の前に大量の消火器が置いてあります。前回訪問時より消火器が増えているような気もしますが、気のせいでしょうか?建物からはプラグ止めされた鉄管が突き出ていますが、貫通部が雑ですねw


北炭の文字がある消火器。北炭マークも薄っすら見えますね。


拡大。認定のラベルがついてます。


こちらは秋の捲揚機室。夏よりはマシですが、相変わらず植物に絡まれており良く見えません。


レンガの外壁が綺麗です。大正8年建立のものとは思えないくらい。


内部の様子を確認します。


外側は茶色と緑色がメインでしたが、内部は灰色と黒色の世界となってます。アートプロジェクトで貼られたステンドグラス風のアクリル板が、いつの間にか撤去されていました。そう言えば繰込所もなんとなく片付けられていたような気がします。それで消火器が増えたのかも知れませんね!


入口には巨大な扉が立てかけられています。写真左上にはスズメバチの巣が見えます。


拡大。一瞬焦りましたがスズメバチはご不在のようでしたw


多数の機械が置いてあります。


柱や天井が凄い色になっています。油や石炭によるものでしょうか?


この辺りにも電気系機器がたくさんあります。


捲揚の滑車が収まっていた台座に登って撮影。


足元を見ると、結構な高さなのがわかります。


窓からは木が侵入しつつあります。


滑車の上に開いた穴からは、ワイヤーが出ていたのでしょうか。


ワイヤーの巻きとりの延長線には先ほどの捲揚機室が見えますが、竪坑と関係あるのかどうかはわかりませんw


巻きとりにはカッコいい歯車がついていますね。土中に埋まったものあります。


近くには風洞が続いています。


風洞の中へ。勾配がついているため水が溜まっていました。


送風機室で引っ張ってきた坑内の排気を、この先にある扇風機で大気放散していたようです。


風洞の出口が見えて来ました。


外に出ると扇風機の台座跡があります。ここに巨大扇風機が据え付けられていたようです。


こちらは風洞斜坑でしょうか?コンクリートで閉塞されてます。


ガス抜きの鉄管?が出ていますが、良い感じの錆色ですね。


すぐ隣には通路のようなものもあり、結構な施設だったようです。


風洞斜坑坑口の前には、先ほどの風洞トンネルと繋がる送風機室の入り口が見えます。


送風機室の建物を見上げます。梯子が見えていますね。


通路は二手に分かれています。せっかくだから、右の通路を選びますw


中は狭い通路が続きます。足元は鉄製の床で多少錆びています。


奥には送風機の心臓部、シロッコファンがそのまま残っていました!ファンの下には水が溜まっています。というか今歩いてきた床の下にも水がたっぷり溜まっているようなので、床が抜け落ちたら怪我では済まないかも知れません。


送風機室の向こうには、動力室の建物が見えています。




動力室内部です。残された図面には500HP主要扇風機との記載があります。HとPがくっついたようなお洒落な書き方ですが、これはHorse Power、馬力のことでしょうか?psに換算すると493.16psです。GT500クラスですねw


高圧危険の注意がある機械が積まれています。


これが送付機室のシロッコファンを回す、500HPターボ扇風機でしょうか。


扇風機運転の際の注意書きがあります。


喫煙はOKだったのかな?特別喫煙所と書かれた板の横には、扇風機運転休止時の心得が貼ってありました。


11月28日が最後の巡回だったのでしょうか。異状認めず。


こんなにも多くの機械や計器類が残されているのは、かなり珍しいのでは?


天井を見上げると剥き出しの鉄骨と、逆V字型になった光が見えています。


逆V字型の正体は、外から見るとわかります。逆V字型の切り欠きですが、こういう変わった形のものは初めて見ました。熱が篭もるので大きな換気経路が必要だったのでしょうか?


動力室内部には他にも多くの機械が残っています。大きな切り欠きから入って来てるのでしょうか、落ち葉がたくさん乗っかってます。


FUJIDENKI ×10mm H2O と書いてある計器も。


こちらは扇風機のメインスイッチですかね?


『扇風機温度調』と書いた綴りが落ちています。日付は1954(昭和29)年2月24日と25日。水曜日と木曜日ですね。モーター温度、メタル温度、アンペア、水圧、室内温度などが記録されています。




許可証のようなものを見つけました。設置箇所には幌内礦布引坑4号風道と書いてます。


動力室の外から送風機室の方向を眺めてみます。


こちらは謎の斜坑です。密閉されているようには見えませんが、奥で密閉されているのでしょうね。レールが遺っていて、奥まで続いているようです。


気をつけながら斜坑を下って行くと、土砂で行き止まりになっていました。竪坑が出来る前の坑道でしょうか?


帰りは布引隧道に寄り道しました。幌内の選炭場までトロッコ軌道が続き、出炭したものを送ったり人員の往来にも利用された隧道で、1952(昭和27)年に掘削されたようです。


コンクリート支柱が斜めに入ってたりなど意匠を凝らした坑口飾りです。恐らくあの煉瓦部分にも凝った意匠が施してあったのではないかと思います。


坑口は半分埋まっていますが、塞いでいたであろうコンクリートが崩れているため出入りは出来そうです。


坑口を塞ぐコンクリートの一部はまだ遺っています。触れると崩れそうなので、なるべくコンクリートに触らないよう気をつけます。


布引隧道奔幌内側の内部です。坑内支保が見えますが、2~3mですぐ閉塞されていました。



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