北海道釧路郡釧路町トリトウシ原野にある岩保木水門。1920(大正9)年の釧路川大洪水を契機に人工河川として新釧路川を開削。1931(昭和6)年、新釧路川と釧路川の分岐点として旧岩保木水門が完成するも水門は一度も使われることなく、老朽化により1990(平成2)年に新水門が完成、旧岩保木水門は役目を終えた。それでも解体されることなく、歴史的建造物として何度か補修を行いつつ今日まで保存されている。
岩保木水門 2011
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旧岩保木水門の上屋 |
門扉開閉の手動式巻揚げ機が格納されているそうです。
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開かずの門扉 |
通常は閉めておき木材運搬時は開ける計画だったものの、釧網線の完成で輸送は鉄道へと変わり、一度も開けられなかったようです。
もう少しで百年になる水門です。
旧水門の内側にある鳥通橋と、新水門が見えます。
コンクリートが脆くなっているためか、鳥通橋は通行止めです。
橋の完成は水門と同時期でしょうか?長年の苔が古さを物語っています。
水門から見る新釧路川の夕景。天使のカーテンがうっすら見えます。
夕焼けが綺麗な場所でした。
岩保木水門 2012 春
冬季間ゲートが開放され、今年初の岩保木水門。
緑が無いと寒々しい雰囲気ですね。モノトーンという感じ。
続いて鳥通橋。橋の下に流れの無い釧路川になっていますが、白いふわふわの何かが浮いています。蛙の卵でしょうか?
橋の路面は脆そうでしたが、支える鉄骨はまだまだ丈夫そうですね。
岩保木水門 2012 夏
夏の鳥通橋と岩保木水門です。今回は、この水門を見てみたいというちょっと変わった方々と4人で訪問しましたw
当然ですが、春とは色味が違いますね。
こちら新水門。春と違ってここに遊びに来る人はちらほら居ますが、子供はほぼ居ません。遊具もお店も何も無い場所ですので。
川に投入するのか、ナンバーリングされた消波ブロックが並びます。
この鉄骨、同行者により使われている鉄剤の年代が判明。1924(大正13)年の刻印を見つけました。レールのようです。岩保木水門の完成が1931(昭和6)年と考えると、この橋も同時期に作られたものなのかも知れません。
岩保木水門 2012 秋
夏の訪問で撮り忘れた刻印です。1924とあります。
2ヶ月ぶりに来てみると、青々としていた湿原が茶色に。緑はすっかり元気をなくし、道東はもう秋に突入しています。
水門に使われている鉄剤も同時期のレールなんでしょうか?確認は難しそうです。
岩保木水門 2013
雪の未舗装路を突破し岩保木水門に到着。今回は雪が少なかったのでここまで来れましたが、車がハマったら命に関わる…
ちょうど夕焼けの時刻だったので廃橋も赤く染まっています。
気がつけば暗くなってきました。
ついには雪が降り出す始末。遭難する前に急いで帰りましたw
岩保木水門 2015
旧水門。上屋も健在、毎年の積雪も乗り越えています。
この水門前はカヌーの発着場となっているようです。
立派な水切りがついていますが、この水門が開くことはありませんでした。
上屋は補修されながらも今年で84年目となります。