尺別炭鉱跡(音別町)2013

2013年11月17日日曜日

炭鉱(尺別・浦幌)

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北海道白糠郡音別町にある尺別炭鉱跡。昨年よりも深く掘り下げるべく、冬場に新尺別駅周辺を、そして秋には選炭場周辺の探索を行いました。

尺別炭鉱 冬

雄別炭礦尺別鉄道線の跨道橋橋脚部が廃線後も遺されています。尺別鉄道線は1970(昭和45)年の閉山と共に廃止となりました。


新尺別駅周辺にある尺別炭鉱閉山30周年記念の復興記念碑です。1970年の閉山から30年ということは、2000年頃のものでしょうか?この復興が指すものは恐らく、太平洋戦争の末期に急速転換『樺太及釧路に於ける炭砿労働者、資材等の急速転換の件』により一時休坑となったが戦後に復興を果たした、ということだと思います。裏面に説明がありました。


記念碑横の木の根元には、石炭が転がっています。


裏面に刻まれていた文章には、『大正7年10月開礦から順調に発展し、昭和14年には(尺浦隧道の開削を開始し)浦幌炭鉱と綜合運営し増産を進めてきたが、昭和19年8月の国策により全操業員は九州地区の(三菱系)炭礦に配置転換となった。その後終戦に遭遇し、昭和21年5月に採炭が再開され復興を遂げた』ことが記載されているようです。ちなみにその後、GHQの財閥解体司令により雄別炭砿鉄道は三菱鉱業から分離独立、昭和24年には雄別砿業所より独立し、尺別砿業所となりました。世相が油主炭従に変化するなかでも開発を行ってきましたが、1969年の雄別茂尻炭砿(赤平市)ガス爆発事故が大打撃となり翌1970年、雄別・尺別・上茶路三山の企業ぐるみで閉山となってしまいます。


今回始めて気がついたのですが、尺別中学校同窓会記念樹の看板が立っていますね。


尺別生活館の裏手にあるコンクリート遺構ですが、何なのかはわかりません。


コンクリートに守られて、古そうなコカ・コーラの瓶が遺っていました。ホームサイズと書いてあります。


これも何の建物だったのかはわかりません。


こちらは尺別生活館。傷みが進みながらも現存しています。音別町が建てたもので、地域の集会などで使われていたもののようです。


生活館の道路向かいにある尺別給油所です。


そしてこちらは新尺別駅の給水塔台座。蒸気機関車に給水するためのタンクで、何故か台座だけが遺されています。


台座の上にはタンクではなく、雪が乗っています。


台座の下に入ります。


丸く開いた穴から青空が見えています。


台座の足元には何かの遺構と、丸められた有刺鉄線がありました。


他にもホーム跡などが確認出来るらしいのですが、この雪では不可能ですね。

尺別炭鉱 秋

いつもの場所から川を渡り、選炭場付近に到着。夏場の訪問では草木に阻まれ見通しが悪かったので、秋に訪問してみました。やはりこの時期は遺構が良く見えます。


足元を見ると、たくさんの石炭が転がっています。


山の斜面一杯に設置された、要塞とも言われる尺別の選炭機ですが、尺別川を越えてここまで来たのは今回で2回目になります。


夏場に比べると足元も良く見えますが、嫌というほどの枯れ木により斜面に拡がる要塞選炭機の全貌はつかみにくいですね。


何でしょう、レールが突き出ています。


これは選炭機の一部でしょうか?


トンネルになっていますが、何なのかはさっぱりです。選炭場は難しいw


この斜面一体が選炭場だったようです。ここを登って上から見てみたいのですが、あまりに急斜面なので他を探します。


ウロウロしていると大きめの鉄板を見つけました。


尺別炭山駅が見えます。もう形を成してません。


更にカッコイイ遺構が見つかりました。何だかわかりませんが、この遺構から登ってみることにします。


これは前回の訪問で見つけた滑車ですね。ということは前回訪問時、先程のカッコいい遺構を見落としていたということになります。秋に来て良かったw


崖の上から伸びる隧道(右)伝いに登ってみました。前回もこの辺りまでは来ていたハズ。


草木が枯れているので前回より遥かに見やすいですね。


この隧道は、ベルトコンベアが通っていたもののようです。ここで左上にある岩に気が付きます。岩というかコンクリート片でしょうか?落ちてきたら危ない!


見下ろすと、先程のカッコいい遺構の裏が見えます。


ふと見ると、この壁の向こうにも遺構があるのを確認出来ましたので、早速行ってみることにします。


隧道は上まで続いていますが、コンクリート片が怖いのでここを離れます。


滑り落ちないよう気をつけながら山の中腹を移動します。ワイヤー発見。


その先には錆びたトタンが散らばっていました。ここにはどんな設備があったのか気になりますね。


なんとなく移動していると、眼の前に突然ホッパーが現れました。結構デカイ!


巨大なポケットにある連結ホッパーです。


コンクリート柱がたくさんあるのが魅力的です。


周辺には遺構だらけです。下から見ただけではわかりませんでした。


要塞と言われた巨大選炭機は、この辺り一帯のことだったのでしょうか。


斜面に拡がる遺構ですが、大きすぎて写真に収まりません。というか、枯れ木がかなり邪魔してきますw


足元にはベルトコンベアでしょうか?ゴムベルトは劣化しながらも遺っています。


ホッパーを横切り、山の上へと続く道を登ってみると、林の奥に何かの遺構が見えました。そろそろ日が傾き始めています。


建物の反対側にも何かの遺構があります。しかし間もなく日没の予感。


先程の建物に到着。ポケットのようです。写真で見たことはありましたが、ここにあったんですね。


建物の中には石炭があるようですが、右のホースは何でしょう?ここから中に入れそうですが、今回はあまり時間がないのでやめておきました。


横手に回りました。


ズリのようなものが溢れてきているのが見えます。


とりあえず一周してみました。間もなく日没で時間切れです。


建物周辺にも何かが建っていたような基礎が見られます。ここにはいつかまた来てみたいと思います。


足元には写真で見たことのある碍子が落ちていましたが、日が暮れる前に急いで戻ります。


鉄管が露出しています。帰りは山の中を歩きましたが、いろいろな物が遺っていました。


ドラム缶まで。これは珍しいです。


土留があるということは、この辺は道路が通っていたのかも知れません。ここから5分程歩き、暗くなる前に川を渡ることが出来ました。道東の炭鉱、雄別・本岐・庶路・尺別・浦幌の中では一番熊が出てきそうなのが尺別(個人の感想です)ですので、ずっとビクビクしながらの探索でした。



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