清水沢アートプロジェクト2011

2011年9月26日月曜日

清水沢火力発電所

t f B! P L
NPO法人炭鉱の記憶推進事業団主催のアートプロジェクトで、大正15年の完成以来65年に渡り空知全域の炭鉱に送電していた旧北炭清水沢火力発電所をメイン会場に、アートの力で炭鉱の記憶を掘り起こすというものです。解体途中の産業遺産、北炭夕張清水沢火力発電所だけでなく、周辺に遺る運炭所や事務所などの産業遺産系廃墟が会場となっており、現在も完全予約制で季節限定公開されているようです。

炭鉱のズリ山
ここにもアート作品が展示してあります。



ズリ山から清水沢の炭鉱住宅が並んでいるのが見えます。



登山道の足元には、転ばないで!という親切な案内標識もあります。



ズリ山の登山道が続きます。結構歩くので足が痛いw


アート作品「回廊」
ズリ山の頂上に設置されたアート作品から清水沢火力発電所が見えます。登頂すると記念品「特製てぬぐい」が手に入るのですが、今回は残念ながら在庫切れでした。


アート作品「還り道」
色のついた玉砂利は、現在から過去への道です。


アート作品「スーパー地蔵」
廃墟は危険なのでスーパーマン地蔵で安全祈願。


「運炭/詰所」
ここから遺構ゾーンに入ります。



解体中なのがわかります。



ここは貯炭施設だったようで水が溜まっています。


アート作品「日々の膜」
家と炭砿を柔らかく仕切る膜。



歩行禁煙のプレートなど、当時のものが多数見られます。



味のある机です。



ここには運炭・乾燥機・クラッシャーなどの機械が設置されていたようです。



手洗い場?味があります。



当時の残留物は、展示用に拾い集めたものもあるそうです。


アート作品「運炭詰所」
この部屋は暗幕で覆われています。



ここにあるものは当時のままだそうで、暗闇にすることで時を凍結するアートである。と、学生さんが説明してくれました。実際にここで働いていたという方の話では、その方が使っていた湯のみがそのままここにあるんだとか。

前回来た時はタバコの火が赤く灯るギミックがありましたが、この日は光ってませんでしたね。


「運炭係員詰所」


すごい色の部屋です。


部屋自体がアート作品
どんなアートも色褪せるとの説明ですが、確かにスゴイ。



引き出しにビッシリ詰まった折り鶴は、当時の係員が暇つぶしに折っていたもので、アート作品ではないそうです。これもまたスゴイですね。



この部屋には二階もあります。


運炭係員詰所二階への階段


前回訪問時は何でもなかったのですが、封鎖されてます。床が抜けそうなので封鎖したとのことです。係員曰く、「入っても良いですよ、自己責任で」とのこと。いつも自己責任で行動しているので当然入りますw



石炭で煤けた窓ガラス。



素敵な色合いですね。



部屋を出ようとすると入れ違いにご老人が夫婦仲良く入って来ました。いろいろお話しすると、炭鉱施設や廃墟は初めてとのことで、すごく関心しながら見学していました。すごく楽しそうで、何だか嬉しくなりましたねw



ベルトコンベアは既に撤去済みですが、この建物と発電所がベルコンで繋がっていて、中心部へ微粉炭を運搬していたらしいです。一箇所だけコンクリートブロックになっていますがどうしてでしょう。


アート作品「みえる」
ベルトコンベアで石炭を運搬する様子が見えますね。



レンガが遺っているのは良いですね。



建物の隙間から中を覗いてみました。


「清水沢火力発電所」
清水沢アートプロジェクト、メインの建物です。入る前に周辺のアート作品を見学。


「北炭のマーク」
足元にはさりげなく石で作った北炭のマークがありましたが、アート作品として紹介はされていないものです。個人で作ったのかな?


アート作品「手が届かない扉」
この扉は錆付いて開きません。扉の向こうには宝物があります。これは、手が届かない過去を表現しているのです、と作品を手がけた学生さんが説明してくれました。


中にある宝物
古い掃除機・電話・什器などの日用品が置かれています。実際ここで拾い集めたものを綺麗に磨いてから皿に乗せたそうです。どうやって中に入ったのか尋ねると、学生さんがスルスルっと格子からの潜入を実演してくれました。細くて羨ましいw



という訳で、ここがメインの会場となります。



清水沢火力発電所に入ると、まず目を引くのは大きな操作盤。



それと多数の錆付いた計器。


多数並ぶ計器。

A.C. AMMETER
A.C. VOLTMETER
D.C. AMMETER
D.C. VOLTMETER
POWER FACTOR INDICATOR

など種類がいろいろあって萌えます。



計器が並ぶ姿は圧巻です。



何かのメーターでしょう。



すっかり計器に魅了。



「株式会社 芝浦製作所」は東芝の昔の名称のようです。


アート作品「In This World」
中には女性が入っているそうですが、撮り方が悪くて良くわかりません。



会場入口で計器を堪能し、二階へ向かいます。



残留物が多数あります。これは確か落ちていた物をハンガーに掛けたそうです。



この自転車も落ちていたもの?



多数の碍子。発電所ならではです。



拾い集められたものでしょうか。


鉄製の扉です。


操作可・操作不可の表示板。



二階は窓が多く、明るかったのが印象的でした。窓枠が結構歪んでいますね。


アート作品「窓際にもういない人」
ここに座っているのは炭砿マンだそうです。寂しそうに見えます。


アート作品「白昼虫」
綺麗です。


アート作品「風神・雷神・千手観音(タービンローター)」

二階の最上部です。
一階へと戻ります。



鉄製の階段を降ります。


頭上の風景。


解体工事中の雰囲気が出ていますね。


降りてきた階段


このライトアップも良い感じですね。以上、見応えがありました。


注意事項

遺構については個人が趣味の範囲で調べたものですので、必ずしも正確なものではありません。また、当ブログでは熊などが生息している危険な場所を扱うことがありますが、探索を推奨するものではありません。なお、当ブログを見て何らかのトラブルに巻き込まれても当方は一切責任を負いません。

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