大樹町のトーチカ群

2017年8月15日火曜日

軍事遺構(北海道)

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北海道広尾郡大樹町。大樹町と言えば宇宙産業最先端のまちとして有名ですが、ミリオタ界隈ではトーチカのまちとしても有名です。中でも有名なのは旭浜8連トーチカですが、年々砂浜に沈んでおり、いずれは見えなくなってしまうでしょう。大樹町のトーチカは太平洋戦争末期の1944(昭和19)年から翌年にかけて、大本営の命令により米軍の本土上陸に備え第七師団(通称熊部隊)を中心に約40基のトーチカが構築されたと伝えられています。現在、大樹町の海岸線や内陸部で確認されているトーチカは16基、残りは自然災害や海没、破壊・撤去により失われたもの、もしくは未発見のものと思われます。

内陸部にある旭浜防霧林トーチカです。ここは管理されたトーチカになります。ウッドチップの散策路が設けられています。


トーチカの前には大樹町教育委員会による平面図付きの説明看板が設置されています。これは2008年に発見された15基目で、直近では2017年にも16基目のトーチカが、海蝕により露出し発見されていますので、まだまだ埋まっているものがあるのかも知れません。


出典:大樹町教育委員会発行『大樹町のトーチカ』パンフレット
この地図で言えば14番の位置になります。すぐ近くに15番もありますが、激しく藪漕ぎしないと到達出来ないという噂ですので遠慮しますw


行政により管理されたトーチカは中に入れないように保護されているため、自由に見学することが出来ません。管理している以上、中で怪我されたり犯罪に利用されたりすると責任問題となってしまいますので致し方なしということは理解出来ますが、見る方にとっては魅力が減ってしまいますね。


後部連絡口は鍵付きの鉄柵でガッチリガードされています。申し出れば鍵を貸してくれるサービスとかはやってないのかな?機会があったら問い合わせてみようかと思います。


内部には階段が見え、右に折れてますね。踊り場が窪んでいますが、天井が低いから?ステップが崩れたようにも見えますが、ここからでは良くわかりませんね。ここから正面の方向(北東)に1箇所、右の方向(南東)に1箇所、それぞれ銃眼が開いています。


銃眼は2箇所開いています。これは南東を向いた銃眼。


こちらは北東を狙う銃眼です。多分。いつもなら開口部の段々をアップで撮りますが、今回は外観のみ。


トーチカの上部にも上がれるよう配慮された造りになっています。上部には通気口か伝声管のような穴が2箇所ありますが今回は撮ってません。(過去記事参照)


次に向かったのは旭浜8連トーチカ。これは最北端の2基、冒頭の地図で8番と7番になります。ここから最南端のトーチカまで歩くのは大変なので、やめておきますw


今度は冒頭の地図で2番となっているトーチカが見える場所まで来ました。南西の方向、少し遠くですがトーチカが見えています。


同じ場所、北東の方向に見えるのは3番のトーチカ。


こちらは地図で1番目のトーチカです。旭浜8連トーチカの最南端になります。


波の影響で、以前にも増してトーチカの下がスカスカに見えます。まるで浮いているようです。


連絡口から入ることは出来ますが、前回よりも狭くなっているような気もします。浮いているせいで角度が微妙に変わってしまったのかも知れません。


中は真っ暗です。漂着ゴミのようなものが散らかっているように見えます。


5年前にはこんなに無かった砂利が銃眼に溜まっていますね。やはりトーチカ全体の角度が変わっているようです。


砂利で半分塞がってますが、銃眼からの風景はこんな感じでした。


ついでなので隣のトーチカ、先ほど遠くに見えていた2番のトーチカに接近。


こちらはあんまり変化していない様子。ちょっとだけ沈んだようにも見えます。


相変わらず半分沈んでいて中には入れません。


こちらは更にお隣の、地図で3番のトーチカです。もう疲れたので近づく気もありませんw このまま何もしなければ、これらのトーチカはいずれ砂に飲み込まれてしまうのでしょう。


最後に、未訪問だった浜大樹のトーチカを探してみました。地図で言えば11番です。あまり情報が無いので迷ってます。


おっと!これでしょうか?民家の裏の空き地に不自然なコンクリートを見つけました。


単なる基礎コンクリートみたいに見えますが、質の良くないコンクリートはトーチカっぽい雰囲気があります。


探してみると通気口か伝声管らしき穴を見つけましたが、石が詰め込まれていますね。完全に埋まっており銃眼がどちらかもわからない状態なので、トーチカだと断言するには自信が持てませんね。


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