浦幌炭鉱跡2016(浦幌町)

2016年8月27日土曜日

炭鉱

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北海道十勝郡浦幌町炭山にあった浦幌炭鉱。1895(明治28)年、古河市兵衛によって発見され採掘が始まった炭鉱で、1913(大正2)年に大和鉱業が買収。1936(昭和11)年に三菱雄別炭礦鉄道に買収され、尺別炭鉱の姉妹鉱となりました。1942年、隣町の尺別まで繋がる隧道『尺浦隧道』が完成。1944年に九州への配置転換で休山となりますが、戦後の1947年に再開し戦後復興で一時繁栄しましたが、1953年の朝鮮戦争終焉による反動不況の影響で1954年に閉山となりました。

浦幌炭鉱の栄町アパートです。例によって見辛いのですが、3棟並んでいます。栄町アパート群は炭山集落の入口にあります。


道路の崩落により炭山のゲートが封鎖され続けて早5年。もう開くことは無いんじゃないかと思っていましたが、久々にゲートがオープン。


閉山から60年、築70年くらい?の建物ですが、まだまだ健在という感じですね。


内部の様子です。ここには大量の障子が。


階段室です。姉妹鉱の尺別炭鉱アパートと似た感じ。


2Fの一室ですが、外壁はほとんど失われています。


まるで溶けたかのように劣化していますね。


建物の裏側です。このアパートがいつまで使用されていたのかはわかりませんが、1954年の閉山後も浦幌炭砿小学校・中学校は1967年まで閉校しておらず、炭山地区には人が住んでいたようです。


建物内部。木が飛び出ていて危ないのと、あまり荒らしたくないのでウロウロはしません。


自然に還そうと、木々が建物に襲いかかっています。


一部、倒木が乗っかっている建物も。確実にダメージを与えています。


こちらの建物は全体的に外壁が無くなりつつあります。


建物内部。これは排水管ですかね?塩ビじゃなくて金属製です。


1964年~1965年に週刊マーガレットで連載されたマンガが落ちていました。50年前!


木製の扉が立派に残っているのを発見。なんか貴重!


探せば何かしら細かいものが見つかりそうですが、ほぼ柱だけの状態になっているため当時の間取りなんかは想像し辛いです。


この階段だけ不思議に劣化が激しく、手摺のコンクリートもボロボロになっています。そしてこの茶色いのは何でしょうか?錆?樹液?


ふと外壁を見るとエゾモモンガかな?が移動中でした。夜行性じゃなかったっけ?


栄町アパートから道道500号をしばらく北上すると、尺浦隧道が見えてきます。5年ぶりに訪れてみると、斜面の崩落が進んでおり近寄り難い状態になっていました。


足元の悪い中なんとか尺浦隧道(浦幌側)に到着です。


山を貫き、姉妹鉱である尺別炭鉱の選炭場付近まで繋がっているトンネルです。


坑口に遺る浦幌側の扁額。『浦』の文字が割れてしまってます。


坑口を上から見てみましたが、特に何もありません。


隧道は5~6メートルほどで崩落しているようです。


5年でだいぶ色褪せてしまった感じの案内板。この鉄橋は既に無くなっています。


橋脚が遺っています。尺別まで通っていた専用線のものと言われています。


看板には層雲橋と書いていますが、双運橋ではないかと…。この先に双運坑と太平坑があります。これは1990(平成2)年10月竣功の橋ですが、架け替えたのでしょう。1992年頃まで道路と擁壁工事、資材運搬路、沈砂池などの工事が行われた記録があります。『浦幌炭鉱』は1954年に閉山しましたが、1967年になると通産省が石炭鉱業合理化事業団に調査を委託して石炭埋蔵量の調査を行います。1975年に炭層の確認、翌年ボーリング調査が行われ、8000万トンの埋蔵量を確認します。その後1986年には『太平洋炭礦』が露天坑を計画、翌年に地鎮祭まで行われましたが政府の新石炭政策が厳しいものとなり開発が延期、1996年に計画中止となりました。


双運橋を渡り、常室川沿いに歩くと排気坑口があります。何故か丸太が積んであります。


排気坑道は穴だらけになっています。


更に奥へ入ると、通風坑口が見えてきます。周辺は硫黄の臭いがします。


冷泉が流れ出ています。というか、硫黄の成分が漏れてる坑口です。


川床を石灰分?が白く染めています。硫黄の臭いが体に悪そうw


鉱泉の成分のためか、妙にエメラルドグリーンになっている石があります。湧き出す水のミネラル分によるものでしょうか?

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