北海道の洞爺湖及び有珠山を中心とした『洞爺湖有珠山ジオパーク』。ジオパークとは、地球を楽しむ公園であり地質遺産を保護し研究・教育および観光利用のための「ジオツーリズム」を通じた発展を目指すもので、ここ洞爺湖有珠山ジオパークは2009年、ユネスコ支援の世界ジオパークネットワークに日本で初めて認定されました。
洞爺湖有珠山ジオパークの看板です。ジオパークの中には噴火災害遺構もあり、当時のまま遺されている建造物が公園化するにあたって、当初、住民からの反対もあったと聞きます。
こちらは平仮名でとうやこようちえんと書いたバス停留所の標識です。
こんな姿の幼稚園バスを見ると切ない気持ちになりますね。反対の気持ちもわかります。
建物のあちこちからは木が、光を求めてハミ出してきています。
建物はロープで囲われ、説明看板が設置されています。
看板には『無差別爆撃の戦場のような光景でした。幸い人々の避難は噴火開始前に完了していましたので死傷者は一人もいませんでした。』との説明。躊躇なく迅速に避難出来たのは数十年ごとに繰り返す噴火災害地域の人々に避難の大切さというものが染み付いていたからでしょうか。
すっかりひしゃげてしまった雲梯、その向こうに散らばる噴石がたくさん見えます。こんなものが当たったら命はないでしょう。
これがその建物。わかさいも本舗の泉工場だそうです。わかさいもは北海道の銘菓です。
更に場所を変え2000年噴火遺構公園『金毘羅火口災害遺構散策路』を訪問。泥流や降灰で被害を受けた建物や、流されてきた橋などが保存されています。左の建物は町営浴場、右は町営住宅の建物です。
最後は2000年有珠山噴火災害遺構の『町営団地 桜ヶ丘3号アパート』と『国道橋』を見学します。説明看板によると『1977年の噴火で大量の降灰があり、翌年の大雨の際の泥流により3名が犠牲になったのを教訓に、砂防ダムや人工河川が作られた。2000年の噴火では火口から溢れ出た熱泥流がここ桜ヶ丘団地を襲い1Fを完全に埋め、上流にあった国道橋が2Fの角に衝突したものの住民は噴火前に避難していたため死傷者はなかった』とのことです。
ベランダの手摺が歪んでいるものも。
植物が建物に侵入しようとしています。いつも思うのですが、何故わざわざ日の当たらないところに伸びていくのでしょうか?まるで意思があるようです。
建物横の窓から内部を覗いてみましたが、荒らされた跡もなく壁などは綺麗な状態です。
内側から先ほどのベランダが見えました。
建物玄関側では1Fを確認。こちらの面は泥に埋もれておらず、入口は無事のようでした。