洞爺湖有珠山ジオパーク

2018年10月28日日曜日

歴史的建造物

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北海道の洞爺湖及び有珠山を中心とした『洞爺湖有珠山ジオパーク』。ジオパークとは、地球を楽しむ公園であり地質遺産を保護し研究・教育および観光利用のための「ジオツーリズム」を通じた発展を目指すもので、ここ洞爺湖有珠山ジオパークは2009年、ユネスコ支援の世界ジオパークネットワークに日本で初めて認定されました。

洞爺湖有珠山ジオパークの看板です。ジオパークの中には噴火災害遺構もあり、当時のまま遺されている建造物が公園化するにあたって、当初、住民からの反対もあったと聞きます。


順路に従って、まずは『旧とうやこ幼稚園』へ。


2000年3月の有珠山噴火。火口から600mにあった『とうやこ幼稚園』は噴石の直撃を受け園庭にも多数の噴石が散らばったのですが、事前に避難を完了していたため全員無事だったそうです。無事で良かった!


窓からははみ出る勢いで木々が成長中です。


屋根が穴だらけなのは噴石によるものでしょうか?


『むろらんようちえん』『とうやこようちえん』と書いたマイクロバスです。


こちらは平仮名でとうやこようちえんと書いたバス停留所の標識です。


こんな姿の幼稚園バスを見ると切ない気持ちになりますね。反対の気持ちもわかります。


建物のあちこちからは木が、光を求めてハミ出してきています。


建物はロープで囲われ、説明看板が設置されています。


看板には『無差別爆撃の戦場のような光景でした。幸い人々の避難は噴火開始前に完了していましたので死傷者は一人もいませんでした。』との説明。躊躇なく迅速に避難出来たのは数十年ごとに繰り返す噴火災害地域の人々に避難の大切さというものが染み付いていたからでしょうか。


すっかりひしゃげてしまった雲梯、その向こうに散らばる噴石がたくさん見えます。こんなものが当たったら命はないでしょう。


幼稚園にあったもう一台のバス。幼稚園バスではなさそうです。


場所を変えて、旧西胆振消防本部庁舎の建物と旧国道230号へ。先ほどの場所と違い、この辺りにはたくさんの観光客がいました。


大きな水溜りの向こうにも道路が続いており、国道が寸断されている様子が窺えます。


旧西胆振消防本部庁舎です。建てたばかりだったとか。


旧国道と並行する町道も地殻変動により歪んでいます。


歪みながら引き伸ばされたような感じです。


速度標識もこんな高さになってますね。


西山山麓火口の木道散策路はこの先も続き、倒壊した『破壊されたお菓子工場』を近くで見れるようでしたが、結構歩くし時間も無かったので遠くから確認します。


これがその建物。わかさいも本舗の泉工場だそうです。わかさいもは北海道の銘菓です。


更に場所を変え2000年噴火遺構公園『金毘羅火口災害遺構散策路』を訪問。泥流や降灰で被害を受けた建物や、流されてきた橋などが保存されています。左の建物は町営浴場、右は町営住宅の建物です。


こちらが町営浴場『やすらぎの家』です。


玄関を見ると、泥の高さがわかります。


内部はいろんな物が散乱しています。


泥は今もそのまま残っています。見た感じ、天井付近にまで達していたようです。


説明看板によると『やすらぎの家』は1988(昭和63)年に建てられ2000年噴火の前年に改修したばかりだったとか。


この建物は壁がほぼ無くなっているのですが、荒らされた形跡はありませんでした。


最後は2000年有珠山噴火災害遺構の『町営団地 桜ヶ丘3号アパート』と『国道橋』を見学します。説明看板によると『1977年の噴火で大量の降灰があり、翌年の大雨の際の泥流により3名が犠牲になったのを教訓に、砂防ダムや人工河川が作られた。2000年の噴火では火口から溢れ出た熱泥流がここ桜ヶ丘団地を襲い1Fを完全に埋め、上流にあった国道橋が2Fの角に衝突したものの住民は噴火前に避難していたため死傷者はなかった』とのことです。


国道橋の衝突により破壊された2Fの角。見た目1Fに見えますが、5F建て町営住宅の1F部分は埋まっているようです。


この建物も色んなところから木がハミ出てきています。


ベランダの手摺が歪んでいるものも。


植物が建物に侵入しようとしています。いつも思うのですが、何故わざわざ日の当たらないところに伸びていくのでしょうか?まるで意思があるようです。


建物横の窓から内部を覗いてみましたが、荒らされた跡もなく壁などは綺麗な状態です。


内側から先ほどのベランダが見えました。


建物玄関側では1Fを確認。こちらの面は泥に埋もれておらず、入口は無事のようでした。


この桜ヶ丘3号アパートの2Fに衝突した国道橋が、すぐ近くにありました。


こちらがその国道橋。旧国道230号にかけられていた『木の実橋』です。


橋に登ってみます。やはり植物が生えていますね。


こちら側の欄干は壊れています。


そして足元には、かつて道路だったことを示す鉄蓋がありました。


泥流の凄まじさを物語る看板です。


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