北海道岩見沢市栗沢町にある万字炭山森林公園は、北炭万字炭鉱のズリ山周辺を整備した森林公園で1998(平成10)年に開設されました。
公園には捲揚室、ホッパー、坑口など万字炭鉱関連の遺構があります。
万字炭鉱は1905(明治38)年、北炭が当初の所有者である朝吹家から鉱区を譲り受け、朝吹家の家紋が卍だったことから万字炭鉱と命名し採炭を開始、1976(昭和51)年の坑道水没事故による閉山まで操業されました。
万字炭鉱の遺構を探索
万字炭山森林公園の看板です。
駐車場や管理棟にはトイレもあります。
万字炭鉱選炭場の周辺を整備し、ズリ山の頂上まで続く775段の階段や散策路などのある公園となっています。
ズリ山は大変そうなので今回はパスし、散策路に沿って点在する遺構を探しに行きます。
歩くだけなら一周20分くらいです。
最初の遺構
これは当初、捲揚の建物と聞いていましたが、どうやら扇風機の制御室のようです。
美しい煉瓦の建物ですが、幌内炭鉱にあるものと似ていますね。
両サイドに小窓と、正面にも木で塞がれた開口部のある小部屋です。
その前には機械を設置していたような台座もあります。
小部屋の壁をよく見ると『昭和廿五年拾弐月』の文字があります。
昭和25年12月、1950年12月に書いたのでしょうか?
小部屋の中です。ぶら下がっているのはケーブルでしょうか?
何かの鉄管が床下から天井を貫通していますが、何の部屋だったのでしょうね。
操作室にしては鉄管が邪魔で狭いし、謎です。
建物内部を見渡してみます。
大きな開口部ですが、閉山後に機械を搬出するためコンクリート柱を切断して拡げたものと思います。
不気味な椅子があります
片隅には、机と椅子のセットが置いてありました。肘掛けの形が不気味です。
建物の外へ
結局よくわからなかった建物から散策路に戻ります。
公園内には遺構が点在
斜面に沿って造られた、何らかのコンクリート遺構を発見。
同じようなコンクリート遺構が斜面の上方にも続いています。
バケットコンベアの遺構
これは石炭を運搬する『バケットコンベア』の遺構だそうです。
辿ると何かありそうですね。辿ってはいませんがw
坑口
石炭積込施設の目と鼻の先にある、国鉄万字線の万字炭山駅跡です。
万字線は万字炭鉱の石炭輸送のため1914(大正3)年に万字軽便線として開業、1985(昭和60)年に廃止となった路線です。