万字炭山森林公園(岩見沢市)

2014年5月18日日曜日

炭鉱(他) 廃線・未成線

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北海道岩見沢市栗沢町にある万字炭山森林公園は、北炭万字炭鉱のズリ山周辺を整備した森林公園で1998(平成10)年に開設されました。

公園には捲揚室、ホッパー、坑口など万字炭鉱関連の遺構があります。

万字炭鉱は1905(明治38)年、北炭が当初の所有者である朝吹家から鉱区を譲り受け、朝吹家の家紋が卍だったことから万字炭鉱と命名し採炭を開始、1976(昭和51)年の坑道水没事故による閉山まで操業されました。

万字炭鉱の遺構を探索

万字炭山森林公園の看板です。

駐車場や管理棟にはトイレもあります。

万字炭鉱選炭場の周辺を整備し、ズリ山の頂上まで続く775段の階段や散策路などのある公園となっています。


ズリ山は大変そうなので今回はパスし、散策路に沿って点在する遺構を探しに行きます。

歩くだけなら一周20分くらいです。


最初の遺構

これは当初、捲揚の建物と聞いていましたが、どうやら扇風機の制御室のようです。


美しい煉瓦の建物ですが、幌内炭鉱にあるものと似ていますね。


煉瓦の建物に入ってみます。


建物内部へ

建物に入って目についたのは、台座のある小部屋です。

小部屋から天井に鉄管が抜けています。雰囲気としては機械の操作室かな?


両サイドに小窓と、正面にも木で塞がれた開口部のある小部屋です。

その前には機械を設置していたような台座もあります。


小部屋の壁をよく見ると『昭和廿五年拾弐月』の文字があります。

昭和25年12月、1950年12月に書いたのでしょうか?


小部屋の中です。ぶら下がっているのはケーブルでしょうか?

何かの鉄管が床下から天井を貫通していますが、何の部屋だったのでしょうね。

操作室にしては鉄管が邪魔で狭いし、謎です。


建物内部を見渡してみます。

大きな開口部ですが、閉山後に機械を搬出するためコンクリート柱を切断して拡げたものと思います。


不気味な椅子があります

片隅には、机と椅子のセットが置いてありました。肘掛けの形が不気味です。


建物の外へ

結局よくわからなかった建物から散策路に戻ります。


公園内には遺構が点在

斜面に沿って造られた、何らかのコンクリート遺構を発見。


同じようなコンクリート遺構が斜面の上方にも続いています。


バケットコンベアの遺構

これは石炭を運搬する『バケットコンベア』の遺構だそうです。

辿ると何かありそうですね。辿ってはいませんがw


坑口

塞がれた坑口もありました。坑門には扁額がありますが、読み取れません。


もう一つ坑口がありました。


中を見ると、土砂が流入していました。


石炭積込施設

散策路を一周し、最後はこの遺構。石炭の積込施設だそうです。


ここで精炭を貨車に積み込んでいたようですが、一体どうやって?


下部には精炭を流し込むような鉄材が残っていますが、地面からの高さが無いのが気になります。

地面に埋まってるのか、元々は脚があったとか?


金属を切断したような跡がたくさんあります。


遺構の真ん中くらいには穴が開いてます。


この穴、石炭投入口でしょうか?

石炭積込施設と言われる遺構ですが、正直あまり想像がつきません。


遺構の上部、壁の向こう側を確認すると大きな石炭がゴロゴロ転がっていました。


万字炭山駅跡

石炭積込施設の目と鼻の先にある、国鉄万字線の万字炭山駅跡です。

万字線は万字炭鉱の石炭輸送のため1914(大正3)年に万字軽便線として開業、1985(昭和60)年に廃止となった路線です。


現在は基礎コンクリートとドア全開の簡易トイレしかありませんが、数年前まで個人所有の建物として駅舎が残っていたと聞きます。


万字線は、沿線の万字炭鉱・美流渡炭鉱・朝日炭鉱が次々と閉山し人口が減り、廃線へと追い込まれたようです。


この場所に詳しい方によると、このホーム跡は旅客用のものではなく貨物用で、旅客用はあの白い花の木の辺りにあった、とのことでした。


以上、万字炭山森林公園でした!


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