帯広第一飛行場の掩体壕(帯広市)

2014年4月18日金曜日

軍事遺構(北海道)

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北海道帯広市、『帯広の森』育成管理と利活用の拠点『はぐくーむ』の北にある掩体壕です。形状は凸型、現在残っているものは壁部分だけですが、当時は天蓋もあり実際に練習用の戦闘機を配置していたとの情報もあります。周辺に同形の掩体壕が46基、他にも大型の掩体壕が7基あり、1937年に建設されたという帯広第一飛行場(現、陸上自衛隊十勝飛行場)を囲むように存在していたようです。
帯広の森にある地図で場所を確認します。赤囲いの現在地の上に掩体壕の位置が出ています。右上には陸上自衛隊十勝飛行場の滑走路もあります。


ちなみに、帯広の森にはたくさんの動物たちが暮らしていました。


そんな森の動物たちを横目に掩体壕へ向かいます。


ありました、説明看板です。『このコンクリートの塀は、第2次世界大戦中に建築された、戦闘機を敵から隠すための倉庫で「掩体壕」といいます。全国各地には、大きさや形状の様々な掩体壕が残っていますが、この掩体壕は戦闘機1機を隠すためにつくられたものです。当時、この近辺には同形の掩体壕が全部で46基、それとは別に大きな掩体壕も7基、現在の十勝飛行場を囲むように南東に存在しており、それぞれの戦闘機が誘導路を通って飛行場内の滑走路から飛び立っていきました。現在、この帯広の森の中で確認できている掩体壕はこの1基のみです。』全体予想図が載っていますが、凸形というのは初めて見ました。


参考までに…掩体壕と言えばこのようにカマボコ型になった有蓋コンクリート掩体をよく見かけますが、凸型というのは見たことがありません。


ちなみにこれは、海軍第二美幌航空基地跡にある掩体壕です。網走湖にあるログハウスの広告看板として平和利用されていますw


出典:航空自衛隊ホームページ (旧海軍舞鶴鎮守府掩体壕 及び T-6G中等練習機
こちらの方がわかりやすいので画像を拝借しました。


では、帯広第一飛行場の掩体壕です。赤いボディの眩しい機体が凸型の掩体壕に格納されています。今は無蓋ですが、新聞記事によるとかつては屋根の跡と思われる鉄骨がついていたとのことです。


この赤い機体は、2013年にファイタープロジェクトとして戦闘機の模型を作成した時のもののようです。


残念ながらプロペラは取れてしまったようです。これでは飛べませんね。


間伐材を使用して作成したもののようです。


こうして見ると今にも飛び立ちそうですが…これは実物大なんですかね?凸型をした掩体壕にピッタリのサイズです。


このコンクリート掩体には鉄筋が入っているようです。天蓋の無い掩体壕は単なる壁にしか見えませんね。


外側から見ると、尚更掩体壕の感じがしませんw


壕の上部には、針金と金属片が意味ありげに置いていました。当時の天蓋に使っていた部品だったのでしょうか?


ここにある掩体壕は、1946年に飛行場周辺の土地払い下げで民間人が所有していましたが、1974年に帯広の森造成のために市が土地を購入、その後2010年9月に現地調査で掩体壕の存在を確認し、戦争遺産として看板を設置、周囲の草を刈って整備し2011年7月から公開しているそうです。


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