標茶町郷土館と塘路駅逓所

2013年10月8日火曜日

資料館 歴史的建造物

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北海道川上郡標茶町、塘路湖のほとりにある標茶町郷土館と塘路駅逓所。

どちらの建物も移転復元されたもののようです。

標茶町発祥之地碑

役場は既に無く、代わりに標茶町郷土館と塘路駅逓が並んでいます。


標茶町発祥地碑の裏側

明治18年に熊牛村外四ヵ村の戸長役場がこの地に置かれ初代戸長が執務を開始した、と書いてあります。

熊牛村ほか四ヵ村とは、塘路村・弟子屈村・屈斜路村・虹別村だと思います。


標茶町郷土館

釧路集治監の事務所として建設されたものを移転復元させた建物のようです。

詳しく書いた案内板が設置されています。


集治監について

案内板の内容から雰囲気で解釈をすると、

『政情不安定だった明治初期、罪人の激増に悩まされていた政府は「北加伊道とか言ったっけ?あの北にある蝦夷地。あそこでいんじゃね?遠くて帰って来れないだろうからついでに人口も増えるし一石二鳥だろ。」と考えたかどうかは不明ですが、北海道にはたくさんの集治監が置かれることになりました。

結局は過酷な強制労働により命を落とすものや、刑期を終えて本州へ帰還するものがほとんどだったので人口増には繋がらなかったようですが。

釧路集治監の廃止後は、陸軍省の軍馬補充部川上支部とし終戦まで活用されます。戦後は道立標茶高等学校の庁舎として新校舎が出来るまで利用され、現在は標茶町の文化財としてここに復元されました。』


塘路駅逓所

建物は、塘路湖畔の漁業番屋を復元したもののようです。

駅逓所については案内板に詳しく書かれています。


案内板には塘路駅逓所の歴史の他、この建物は『独特な建築方法』の建築物であると書かれています。

『変わった建築様式』を公開するため一部のみ復元したため、間取りは変わっているようです。


『変わった建築様式』というのが気になるので早速お邪魔します。

6~10月の公開期間中は見学自由のようです。

駅逓の看板には番屋を建てた越前さんの名前が書いてあります。

ポストはダミー?駅逓所と郵便とは関わりが深いから?


塘路駅逓所内部

建物内部はかなり暗いのですが、入ってすぐのところに電気点灯のご案内があります。


電灯オンで、明るくなりました。


『変わった建築様式』というのはコレですかね?

確かに面白い形になっています。

展示されている資料には、現在の大工が見てもどうやって建てたのかわからないと書かれています。


素人なので変わった建築様式が何を指すのかわかりませんが、すごい変わった部材を梁に使用していることだけはわかります。

間近で見ると迫力がありましたね。


内部には他にも大八車などの展示品などが多数あります。


他にも多数展示されています。


ちょっと囲炉裏に座ってみたかったのですが、あの梁が怖いのでやめておきましたw


駅逓について

展示物の他には説明パネルも多数並んでおり、見た目小ぢんまりした建物ですが意外と内容は濃いです。

パネルには駅逓についての詳しい説明もありました。

要約すると

『1888(明治21)年、北海道庁は「人馬継立営業規則」を定めた。交通路が整っていなかった北海道において交通の利便を目的とし、駅逓制度に基づいて官主導で設置された北海道独特の施設。

旅人の宿泊や、荷物や郵便物の輸送で人馬の中つぎに利用された。道内各所には多いときで270ヶ所もあり標茶町内には14ヶ所が設置されていたが、14ヶ所のうち建物が残されているのはこの塘路駅逓所だけである。

大正時代に入り、それまで使っていた「曳き舟」から焼玉エンジンを使った「動力舟」が使用されるようになると、駅逓の必要性は薄れ、昭和2年の釧網線開通が決定打となり、翌昭和3年、塘路駅逓所は廃止となる。

駅逓制度自体については、当時駅逓を管轄していた内務省により昭和22年3月31日をもって廃止が決定された。標茶町内で最後まで残っていた駅逓は「阿歴内駅逓所」で、昭和21年まであったらしく、憶えている人も居るのではないか?』

という内容のものが展示してあり、興味深く拝見しました。


これも展示物で、道東地方の駅逓マップです。

阿歴内は39番でしょうか?


建物内部にはガラスケースに収蔵された駅逓資料や壁に貼られた資料などが豊富にあったため、駅逓を通して北海道の歴史を学ぶことが出来ます。

この建物には小一時間ほど滞在しましたが、やはり道東の郷土資料館。

オフシーズンとは言え、全く人に会いませんでしたw


以上、寂しいので帰ります。


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