1983年に全線廃止となった国鉄白糠線。北海道白糠郡白糠町にある根室本線白糠駅から分岐、北上し白糠町二俣にある北進駅(旧釧路二俣駅)まで、およそ33kmのローカル路線でした。1964年に白糠駅から上茶路駅まで開業、その後1972年に政治の力で北進駅まで延伸したものの、1980年の国鉄再建法による特定地方交通線廃止の第1号として認定され、1983年に廃線、バス転換となりました。雄別鉄道上茶路坑の閉山、それによる沿線人口の激減、開業当初の石炭輸送という目的がなくなっていた、などの時代背景があります。
蓮花沢橋梁
上白糠駅から茶路駅間、共栄仮乗降場の手前にある蓮花沢橋梁です。歩道に面しており、金属パイプの防護柵が設けてあります。
北進方向の橋梁プレートでは、1958(昭和33)年10月10日着手、同年12月15日竣功となっています。
そして橋脚には『1958-6』と刻印されています。見づらいですが。
北進方面を望みます。既にレールは撤去されていますが、草の生え方(枯れ方)がレールの跡みたいに見えるのは気のせいでしょうか?w
真加代川橋梁
上白糠駅から茶路駅間、共栄仮乗降場の先にある真加代川橋梁です。蓮花沢橋梁と同じく、金属の防護柵が設けてあります。橋梁プレートが4枚も遺っています。逆側は調べてませんので、もっとあるかも知れません。
北進寄りから1枚目。橋脚には1959-4の刻印があります。
北進寄りから2枚目。
中央の橋脚に3枚目。
白糠寄りの4枚目。1958(昭和33)年10月10日着手、同年12月15日竣功で、蓮花沢橋梁と全く同じ日です。
真加代川橋梁の上部、白糠方向です。
鍛高トンネル
茶路駅から縫別駅の間にある、しそ焼酎『鍛高譚(たんたかたん)』で有名な白糠町鍛高のトンネルです。
鍛高トンネルには、牧場の防護ネットにより近づくことが出来ません。
坑口の左側には「鍛高T」と書いた銘板が遺っています。
トンネル内部には不自然に光が入っている部分が見られます。待避所でしょうか?フラッシュは使ってないので、どこからか光が入り込んでいるのでしょうか?
第7茶路川橋梁
縫別駅から上茶路駅間にある、第7茶路川橋梁です。茶路川に架かる道路橋の観渓橋手前から第7茶路川橋梁へ近づきます。
第7茶路川橋梁の真上まで来ました。
第6と第7茶路川橋梁の間にある縫別トンネルの位置がわからなかったので、この橋梁伝いに白糠方面へ戻ってみるつもりでした。
第7茶路川橋梁に乗りました。橋には枕木も残っており、保線用の通路で茶路川を歩いて渡れそうです。
構造自体はまだまだしっかりしてそうな雰囲気だったのですが、結構な長さの橋だったので渡り切る自信がなりませんw この後、別のルートを探して縫別トンネルを目指しましたが、どうも農地を通らないと近づけないようで結局断念しました。
橋梁プレートは、これは剥がしたのでしょうか?剥がれたのでしょうか?不自然な形で大部分が欠損していました。
第10茶路川橋梁
白糠線の廃線跡は、現在も橋梁を中心に放置されていますが、2021年に一部の橋梁・跨道橋の撤去工事が行われてしまいました。これは2012年の当時の様子ですが、この橋梁も既に無くなっているかも知れません。第10茶路川橋梁の真下です。路盤のほうに行ってみます。
路盤上は草が生え放題でしたが、少し歩いてみます。
成長した木が行く手を阻みます。
途中でカーブしながら茶路川を渡ります。
橋を渡りきったところです。少し危険な状態になっています。
この先も廃線跡は続いているようですが引き返すことにしました。
第10茶路川橋梁を振り返ります。徒歩5分程度の探索でした。
上茶路駅(冬)
国鉄白糠線が廃止となった1983年より、廃駅となって遺っている上茶路駅です。訪問したのは2012年でしたが、数年前までは駅舎も遺っていたようです。現在は解体され、ホームと廃線跡だけとなりました。
駅名標は何故か破れていますが、「しもほくしん・ぬいべつ」となります。廃止からもうすぐ30年になろうとしているこのホームの周りからは、凄い勢いで自然に還そうと襲い掛かってきています。
蔓か蔦か知りませんが、とにかく凄い状態です。
北進方向、右にカーブしています。レールは結構な長さで遺っていますので、辿ってみても良いかも知れません。
ホームもレールも木々の勢いに圧倒されています。
解体済みの駅舎にあったものでしょうか?川沿いには古そうなヤカンや錆びたバケツなどが落ちていました。
短いホームです。
駅舎もトロッコも無くなってしまいましたが、ホームと屋根と看板だけが遺ります。この足跡は全て自分のものです。
ホームに飽き足らず電柱まで自然に還そうとしているようです。周辺の電柱は、既に囚われの身です。
蛍光灯からコードが垂れ下がっている、と思ったら木だったりします。
上茶路駅に続く道道665号です。夏に来てみました。
地面には、冬では見つけられないであろう枕木らしいものを見つけました。
地面は良く見えますが、葉っぱが元気一杯なのでホームの遺構がよく見えませんね。
木々の隙間を縫って駅名標を撮りました。
ホームに立って見る風景です。向かいのホームが見えますね。
実は虫も凄かったので、夏の上茶路駅はあまりオススメしませんw
第13茶路川橋梁
上茶路駅から下北進駅間にある第13茶路川橋梁です。ここは河原に降りて行けます。
第13茶路川橋梁の橋脚を確認。
早速路盤も確認します。
橋を渡り切ったところですが、この先も密林となって廃線跡が続いています。
引き返しがてら細かいところを確認します。碍子を発見。
レールは撤去されていますが、当時のものと思われる碍子や金属片などが見つかりました。
こちらは北進方面、この先は作場道第2橋梁があります。