白糠炭田石炭資料室(白糠町)

2012年8月15日水曜日

資料館 炭鉱(庶路・本岐)

t f B! P L

北海道白糠郡白糠町西庶路の西庶路コミュニティーセンター2Fにある、白糠炭田石炭資料室です。

石炭の勉強で今回初めて訪問しました。

西庶路コミュセン

初めての訪問。地元民でないのでコミュニティーセンターに入るのは躊躇しました。


白糠炭田石炭資料室の入口

アポなしの訪問ですが、受付で資料室の見学を申し出ると部屋の電源を入れてくれました。資料室の入口は坑口を模していて安全第一と書いています。

この資料室について白糠町長の寄せ書きが飾られていました。

『本資料室は、町の歴史の流れの中で欠かすことのできない白糠炭田の存在を決して風化させることなく、白糠の次代を担う青少年に受け継がせ、そこから郷土愛を育む施設として位置づけています。今後は、町民の方々を始めとして、多くの人々にご高覧いただき、小さいながらも機能的な資料室としてご活用いただければ幸いです。昭和61年12月1日。』(抜粋)

確かに大きくはない資料室ですが、内容は充実しているように思います。


資料室内の様子(許可を取って撮影しています)

壁一面には年表が飾られ、当時の背景も理解することが出来ます。石炭関連・白糠の出来事・日本の出来事など分けられており、写真つきなので見ているだけでも楽しいです。

その他には、貴重な『坑外図』や当時の道具なども展示されています。


解説付きの展示品

ガラスケースの上(左上)にある冊子はサンタン7発行の『釧路炭田 産炭史』です。

お持ち帰りが可能のようですが、既に持っていたので遠慮しました。


本岐炭鉱の当時の姿を初めて見ることが出来ました。


炭鉱用語の解説もあります。


「連卸」(つれおろし)。

本卸・副卸というところもありますが、ここは本卸・連卸なんですね。


三井鉱山三池製作所立坑巻上機のプレートです。


コールピックを持った人形に別れを告げ見学終了。

以下、展示品に記載されてあった年表の内容です。


◎明治以前と明治時代

 01.『北海道最初の石炭採掘地』.1857(安政4)年.シリエト岬の東端.元治元年閉山

 02.『肥田炭砿』.1897(明治30)年.刺牛・プシナイ.明治33年~34年閉山

 03.『庶路チプタナイ炭砿』.1897(明治30)年.チプタナイ.明治32年~33年閉山

 04.『磯部栄基の炭砿』.1897(明治30)年.刺牛・プシナイ肥田炭砿の隣区.閉山不明

 05.『楠現順の炭砿』.1901(明治34)年.プシナイ(三上牧場附近).閉山不明

 06.『南木炭山』.1902(明治35)年.場所記載なし.閉山不明

 07.『白糠炭砿』.1904(明治37)年.プシナイ.閉山記載なし

 08.『岬炭砿』.1906(明治39)年.シリエト岬.新白糠炭砿が引き継ぎ


◎大正時代

 09.『夷石雅太郎の炭砿』.1914(大正3)年.茶路.後の茶路炭砿

 10.『加利庶炭砿』.1914(大正3)年.東茶路カリショ.昭和34年閉山

 11.『庶路炭砿』.1916(大正5)年.場所不明.閉山不明

 12.『神恵炭砿』.1917(大正6)年.場所不明.閉山不明

 13.『名西炭砿』.1917(大正6)年.場所不明.閉山不明

 14.『白糠炭砿(ラサ)』.1918(大正7)年.茶路大曲・大苗.昭和34年閉山


◎昭和の戦前

 15.『庶路炭砿(明治鉱業)』.1939(昭和14)年.庶路チプタナイ沢.昭和39年閉山

 16.『神之沢炭砿』.1939(昭和14)年.庶路川上流.昭和37年閉山

 17.『茶路炭砿』.1940(昭和15)年.茶路.昭和16年閉山

 18.『本岐炭砿』.1941(昭和16)年.庶路ケトンチ沢.昭和44年閉山


◎昭和の戦後

 19.『新白糠炭砿』.1946(昭和21)年.石炭岬.昭和38年閉山

 20.『松の沢炭砿』.1952(昭和27)年.庶路川中流 松の沢.昭和41年閉山

 21.『上庶路炭砿(北光炭砿)』.1952(昭和27)年.上庶路.昭和34年閉山

 22.『北東炭砿』.1952(昭和27)年.乳呑.昭和29年閉山

 23.『茶路白糠炭砿』.1952(昭和27)年.茶路.昭和34or37年閉山

 24.『西白糠炭砿』.1957(昭和32)年.茶路 熊の沢.昭和34年閉山

 25.『泊別炭砿』.1957(昭和32)年.庶路 泊別.昭和34年閉山

 26.『王内炭砿』.1960(昭和35)年.茶路 大苗.昭和37年閉山

 27.『東栄炭砿』.1961(昭和36)年.茶路 右股.昭和40年閉山

 28.『上茶路炭砿』.1964(昭和39)年.上茶路 シュトナイ沢.昭和45年閉山


なんと白糠には28もの炭鉱があったようですが、ほとんどは自然に還っていることでしょうね。


以上、大変勉強になりました!


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