北海道札幌市内の歴史的建造物。『和洋折衷の古い建物』である『清華亭』は1880(明治13)年竣工の貴賓接待所で、建物は自由に見学出来ます。札幌駅から徒歩10分程度で、北7条西8丁目のバス停が目印です。※2024年現在、改修工事により休館中となっています。
2012年訪問
建物の前に設置されている看板ですが、文字がかすれて読み取りにくくなっています。
古い感じの門です。
札幌市有形文化財 清華亭 |
玄関上のキングポストという十字架を模した飾りは『永山邸』のものとそっくりですが、こちらには★マークがあります。北極星をモチーフにした開拓使のシンボルマーク『五稜星』。サッポロビールのラベルも★ですが、これは札幌時計台(演武場)にもありました。開拓使に関係するものにはこのマークがあるようですが、永山邸に無いのは個人邸宅だから?
内部は自由に見学可能となっています。
和洋折衷のデザインとなっていますが、中に入るとまずは洋の雰囲気です。ベイ・ウィンドウという日本建築にはなかった出窓がついています。
この建物も天井にメダリオンがありますね。ふと見ると、片隅にカッコいいストーブが。集合煙突に排気筒が繋がってます。
床ボックスからの配管が見えるので灯油ストーブですが、カッコいい箱にSANDENの文字が付いてます。このサンデン灯油ストーブ、明治のものとは思えませんがいつの時代のでしょうかね?銘板を探してみれば良かったです。
洋間からいきなり和の雰囲気になります。書院風造りで広さは15畳だそうです。
縁側ですね。北海道では古い建物でもあまり見かけません。
トイレには消臭元がありましたw
北海道生まれなので縁側に馴染はありませんが、不思議と落ち着くのは日本人だからでしょうか?ちなみにうちの先祖は福島県ですw
間違えて入ってしまった管理人室の天井には、これまたカッコいいランプがありました。
敷地内にある記念標石です。明治天皇が札幌に来た際はここで御休憩され、豊平館に宿泊されたとのことです。ちなみに豊平館は訪問当時、絶賛改修工事中で見学出来ず。
清華亭の敷地内には清華亭遊園があり、その一角に猫の額ほどの公園があります。
2014年再訪
今回はきちんとパンフレットを読んでから訪問しました。札幌最初の都市型公園であった『偕楽園(1871(明治4)年、開拓判官岩村通俊によって住民の遊覧の場所として作られた)』の中に、開拓使が貴賓接待所として建てたものです。建物の完成にあたって、時の開拓使長官だった黒田清隆が『水木清華亭』と名付けたことから清華亭と呼ばれて今日に至っています。1880(明治13)年、偕楽園の中に完成した清華亭ですが、偕楽園にあった産業施設の廃止・移動により清華亭は一時、忘れられた存在となります。1933(昭和8)年に札幌市の所有となり庭園の整備、門・柵などを設置、1961(昭和36)年に札幌市有形文化財となり、1978(昭和53)年に復元工事がなされました、とパンフレットにあります。
ここに到着したのが閉館の10分前。急いで入館します。
ちなみに、かつての『清華亭』のすぐ向かいには、現代の『清華亭』があります。賃貸物件のようですが漢字までも一緒ですw
玄関にて。基本的に受付などは無いので閉館10分前でも気兼ねなく入館出来ます。
建物内部の見取り図です。「土間」のあるエリアは警備員詰所のようで見学してません。
洋間には清華亭にまつわる様々な説明パネルが展示され、それによると『偕楽園には、明治11年頃お雇い外国人によりサケの孵化実験のための孵化場があった』などの歴史を知ることが出来ますが、既に閉館5分前なので急いで和室へ移動します。